伝統工芸大国、「本物」を磨き海外進出へ 佐賀県知事インタビュー

有田焼をはじめとしたものづくりの伝統が息づき、地域資源に恵まれる佐賀県。「本物」を磨き上げ、地域に誇りを取り戻し、誰もが暮らしやすい県へ――。今年1月に佐賀県知事に就任した山口祥義氏に、県の未来構想を聞いた。

山口祥義 佐賀県知事

ものづくり、人づくりの宝庫

―佐賀県ならではの特色やポテンシャルをどのように見ていますか。

豊かな自然があり、独自の文化があり、おいしいものがある。佐賀県は素晴らしい地域資源に恵まれている県です。佐賀藩は長崎港の警備をしていたこともあり、日本が鎖国の時代、すでに世界に目を向けていました。さらに、ものづくりが盛んで400年も前には伊万里港から有田焼を輸出していた歴史もあるし、古くから人づくりに力を入れてきたという事実もあります。まさに文化、歴史、ものづくり、人づくりの宝庫だと言えます。

しかし、佐賀県民は佐賀に対する誇りが薄い。それが悔しいですね。

佐賀県民は県外からのお客さまに「佐賀は、何もなかよ」と、よく言います。謙遜の表れでしょうが、それは変えなければいけません。自分の地域を素晴らしいと言える地域には、自然と人が集います。佐賀県にもそうなってほしいし、ポテンシャルの高さは十分にあると手ごたえも感じています。

―6月には佐賀県総合計画2015をまとめました。

総合計画では、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念として掲げています。日本という規模で見れば九州の一地域かもしれませんが、世界に目を向けた瞬間、佐賀の素晴らしさが鮮明に見えてきたのです。縁があって佐賀県を訪れてくださるオランダ、フランス、イタリアの方々から、「佐賀は素晴らしい」「本物が息づいている」と多大な賞賛をいただきました。かつて、伊万里港からヨーロッパに向けて有田焼が羽ばたいたように、これからのグローバル社会で佐賀から世界を目指そうという思いを、この基本理念に込めています。

「さが創生」

「さがデザイン」のコンセプトと施策(一部)

さが創生 「本物」の地域資源の磨き上げや、女性が活躍する社会づくりで、雇用・新しい人の流れ・子育て環境・時代にあった地域を創生

(1)安定した雇用の創出

  1. ●ものづくり人財創造事業
  2. ●“農の夢”応援プロジェクト

農業者のスキルアップ研修、トレーニングファームのモデル整備支援

 

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