ゴミと下水で企業誘致 佐賀市、ユーグレナと共同研究を実現

佐賀市は、下水・ごみ処理から生じるバイオマス資源を有効活用し、ユーグレナなどの企業との共同研究や誘致を相次いで実現。地域にバイオ産業を集積し、真の地域活性を目指す。

佐賀市はユーグレナと藻類培養に関する共同研究契約を締結

マイナスからプラスを生み出す

植物や廃棄物などの生物由来の有機資源、バイオマスの利活用が各地で進んでいる。佐賀市は2014年11月、関係7府省より「バイオマス産業都市」として選定され、下水処理センターや清掃工場で出る汚泥やガスを、エネルギー資源として有効活用している。

「選定以前からさまざまな試みを行ってきましたが、目的は大きく2点あります。一つには、下水・ごみ処理というのは生活を送る上で欠かせない大切なインフラでありながら、市民は、近くに施設が建つとなればあまり歓迎しません。そういったマイナスイメージを、エネルギー資源などを生み出す価値ある施設としてプラスのものへ変えるということ。もう一つは、経費節減効果を狙ってのことでした」。そう話すのは、佐賀市環境部バイオマス産業都市推進課創エネ戦略室の井口浩樹氏だ。

井口浩樹 佐賀市環境部 バイオマス産業都市推進課創エネ戦略室

具体的には、下水処理で生じる消化ガスや清掃工場の発熱を用いて発電を行い、施設内で使う電力をまかなっている。清掃工場では余剰電力を、新電力を介して市立小・中学校へ供給しており、大きな財政効果を生み出すことにも寄与し、その額は年間で約9000万円にも達しているという。

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