「よなよなエール」を生み出したクラフトビールメーカーの哲学
クラフトビール界のトップランナーであり、個性的なビールを次々ヒットさせるヤッホーブルーイング(長野県佐久市)。他の追随を許さない彼らの、オンリーワンづくしな素顔を見せてもらった。
味わい深いクラフトビールを日本中に広めたい
ヤッホーブルーイングは1996年創業のクラフトビール・メーカーで、売り上げも注目度もナンバーワンだ。10年連続で増収増益を達成し、8年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
看板製品は「よなよなエール」だ。1997年の発売以来変わらぬ人気で、コンビニや大手スーパーにも並び、売り上げの半分を占める。同社のウェブサイトの製品説明には、「つややかな琥珀色、最高級アロマホップが織りなす柑橘類を思わせる華やかでふくよかな香り、ほんのり甘さを感じるコクとやわらかな苦味」とある。この味わいは、前社長で星野リゾート代表の星野佳路氏がアメリカで飲んだ“エールビール”をモデルに造られたものだという。
当時、日本の国産ビールは大手メーカーのラガービール(※製品名ではなくビールの種類)しかなく、エールビールの味わいに感動した星野氏はいつの日か日本でも造れたらと思ったそうだ。1994年の酒税法改正を機に地ビールが続々と誕生する中、1996年に星野氏はヤッホーブルーイングを創業する。現社長の井手直行氏を含め、7名でのスタートだった。
当初から「おいしいビールを日本中のお客さんに広めたい」と、価格は大手メーカーのビールより少し高い程度に抑え、缶で流通させた。地ビールブームに乗って、1999年までは順調に売り上げが伸びたが、そこをピークに売り上げの対前年比が毎年80%という状況が続いた。
地ビールメーカーの中には品質の安定しないところもあった。ブームの終焉とともに「地ビールはおいしくない」「やっぱりこういうビールは日本では売れない」というイメージが強く残ってしまったという。
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