離島を支えるエアライン、再生へ飛び立つ

全国一の離島県である長崎県において、貴重な移動手段を提供するのが、オリエンタルエアブリッジ(ORC)だ。「もう一つのLCC(ローカル・コミュニティ・キャリア)」の挑戦が続いている。

現在は、ボンバルディア社の中型機を2機、保有している。2016年には後継機を決定する予定だ

我が国には6800以上の離島があり、法律で指定された有人島は300以上。これら有人島のうち、51島が長崎県にある。そして、長崎県の有人島に住む人の数は、2010年のデータで約13万7000人、県の人口の9.6%となっている。

長崎県の離島と本土を結ぶ「空の架け橋」として航空輸送サービスを提供しているのが、オリエンタルエアブリッジ(ORC)だ。現在、長崎~壱岐、長崎~対馬、長崎~五島福江、福岡~五島福江の4路線、往復合計1日22~24便の定期便を毎日就航させている。

ORCの山口邦久社長は、同社を「もう一つのLCC」と呼ぶ。通常、LCCとはローコスト・キャリア(格安航空会社)の意味で使われるが、山口社長にとっては「ローカル・コミュニティ・キャリア」、つまり地域のコミュニティに欠かせない航空会社という意味だ。

ORCは、1961年に長崎航空として誕生し、2001年に商号を変更している。離島航空輸送会社としてのこれまでの道のりは、大変険しいものであった。そして、現在も、長期にわたる持続的成長に向けての挑戦は続いている。

存続が危ぶまれる経営危機

ORCの前身である長崎航空は、県策により、第三セクター方式で誕生。離島を結ぶ小型機によるコミューター航空会社として40年間継続してきたが、2000年度には累損が6億円を超えた。もともと市場規模が小さいうえに、離島の人口も減少しているためだ。長崎県の有人島の人口は、1960年には約33万5000人で県の人口の19%を占めていたが、今は冒頭に書いたとおり。

長崎航空の存続が危ぶまれる中、県が主体となる離島航空路線存続協議会は、中型機の導入、小型機の運航による赤字の補てん、民間航空会社からの社長の招聘などの方針を決定。長崎航空は、オリエンタルエアブリッジに商号を変更し、新たな航空サービスを開始した。

最初の数年間は、路線の改廃を繰り返す結果となったが、エアーニッポンから長崎~対馬線の移譲を受け、2004年度、2005年度には、補助金を含んではいるものの黒字化することができた。

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