グローカルの先駆者 真珠王・御木本幸吉と「異物から核へ」

“足芸”行商人から“世界の真珠王”にまで登りつめた男。もちまえのアイデア力を武器に世界に羽ばたいた。そのしたたかなブランディング戦略とは。

「クレージーなひとたちがいる。反逆者、厄介者と呼ばれるひとたち、真四角な穴に 丸い杭を打ちこむように、ものごとをほかとは違う目で見るひとたちがいる。かれらはきまりを嫌う。かれらは現状に満足することがない。かれらに心うたれるひとがいる。否定するひともいる。称賛するひとも、けなすひともいる.........」ではじまるスティーブ・ジョブズ(1955-2011)によるアップル社の有名なCMがある。それはこう続く。

「たぶんかれらはクレージーといわれるが、われわれは天才だとおもう。自分が世界を変えられると本気で信じるひとたちこそがほんとうに世界を変えているのだから」

いまから百年以上も前、伊勢神宮のお膝元である伊勢志摩の地を舞台に、このジョブズの言葉を地で行ったような男がいた。かれは家業のうどん屋、青物行商から身をおこし、もちまえのアイデア力によって“世界の真珠王”と呼ばれるまでになる。周囲のひとたちからの陰口と嘲笑にたえながら自らの信念を貫き通し、そして世界を変えた男、御木本幸吉(1858-1954)である。

若き日の御木本幸吉 写真提供:ミキモト真珠島

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