自分の肌で感じる それが旅の醍醐味

外国人旅行客が何を求め、何に喜びを感じるのか。ヒントは、ハードではなくソフトの充実にあった。日本在住21年の米国人編集者が語る日本の魅力と課題―
Photo by Shota Matsumoto text by Io kawauchi

 

ルーカスBB(ルーカス・バデキ・バルコ Lucas Badtke-Berkow)

外国人旅行客を増やすために、日本では政府レベルから民間まで様々な手を打っている。

しかし、日本人だけの視点では外国人旅行客が何に関心を持ち、何を求め、何に喜びを感じるのかを知るのは難しい。

新しい訪日客とリピーターを増やすためには、日本人が気付いていない日本の魅力と外国人旅行客のニーズ、どちらも指摘できる人物の視点が必要だ。

そこで、「地上で読む機内誌」というテーマで発行されている旅行誌『PAPERSKY』の創刊者であり編集長のルーカス・B.B.さんのもとを訪ねた。

アメリカ・ボルティモア生まれのサンフランシスコ育ちで、日本在住21年目。庭に立派な柿の木と金魚が泳ぐ小さな池がある築70年の日本家屋をオフィス兼住居とし、これまで日本中を旅してきた。

そんなルーカスさんだが、日本に住み始めたきっかけは偶然の積み重ねだった。

「とにかく雑誌が大好きで、小学生の頃から中学、高校、大学とずっと雑誌や新聞を作っていました。カリフォルニア大学の学生の時、カリフォルニアの紀伊国屋書店に置いてある日本の雑誌に載っていた欧米と全く違う雰囲気の写真、デザイン、ファッションを見て、日本に興味を持ったんです。それで、大学を卒業した翌日に日本に行きました」

これが初めての海外旅行で、おまけに日本のことを何も知らないルーカスさんは、大学生の時に知り合った日本人に連絡した。すると運良くそのうちのひとりの実家に泊めてもらうことになり、1カ月も滞在。すっかり日本が気に入り、試しに就職活動をしてみたところ、英会話の講師として採用された。

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