「旅のチカラ」で課題解決

インバンド市場の拡大、ITの普及、少子高齢化などを背景に変貌する観光産業。これに伴い、旅行会社の役割や機能はどのように変化・進化していくのか。旅行会社の未来を、JTBコーポレートセールスの大塚雅樹常務に聞いた。

大塚雅樹 JTBコーポレートセールス 常務取締役 マーケティング部長

旅行産業は今、大きな変革の中にある。2060年に日本の総人口は9000万人を下回り、国内の旅行市場は縮小が避けられない。一方で、グローバル化で新たな需要も生まれている。経済発展が著しい新興国では旅行人口が増大しており、訪日外国人客の増加も見込まれる。ITインフラの普及によるネット系旅行サービスの台頭、団体旅行から個人旅行へのシフトなども起こっている。

こうした市場環境の変化にあわせ、旅行会社の機能やサービスも変化を求められている。

JTBグループの法人営業部門を担うJTBコーポレートセールスの常務であり、これまでグループの新規事業開発に深く携わってきた大塚雅樹氏は、「今改めて“旅のチカラ”を見つめ直す必要があります」と指摘する。

「旅は、人を動かす原動力になり、モノに新たな価値をもたらし、さらにコミュニケーション力を高めて人の心を動かします。旅に最も精通している企業として、こうした“旅のチカラ”を生かしながら、他社との連携を通じてお客様の課題を解決する新しいビジネスを創り出していきたい。これにより既存市場を深耕するとともに、新事業の創造にもつなげていきます」

職場旅行に新しい価値

そんな新しい取り組みが、「職場旅行3.0」だ(図1)。

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