人が動く「まちづくり」設計法
昨今、全国で地域振興の取組みが活発化しているものの、失敗例が後を絶たない。
木下斉氏は、まちづくりに欠けているのは、「経営の発想」であり、まずは少数のコアメンバーで、尖ったビジョンを打ち出すべきだと説く。
企業にとって、「理念」は進むべき方向性や組織の求心力になるものだが、それは、まちづくりにも共通している。高校生の頃からまちづくりにかかわり、現在は日本各地で地域活性化のプロジェクトに携わっているエリア・イノベーション・アライアンス(AIA)代表理事の木下斉氏は、まちづくりには経営的視点が欠かせないと語る。
まちを「経営」する戦略を考えるうえで必要なのが、「どんな街にしたいのか」というビジョンの共有だ。まちづくりの目標をつくり、指針を定めるには、何が必要で、どのような手順を踏めばよいのだろうか。
「まず、核となるチーム構成が大切です。コアチームは、事業責任がとれる3人~5人程度にとどめるべきです。また、その区域の利害関係者、具体的には不動産オーナーが入っていることが不可欠です。そもそも商業地区が活性化すれば、最終的にメリットを得るのは地域のテナントビルのオーナーや商店街のメンバーです。そういう活性化の受益者たる人たちが動かないと、周りの人たちも真剣に動き出さないですからね」
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