2014年4月号
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経営の盛衰は知財にあり

知財戦略は代理人選びから

山本秀策(山本秀策特許事務所代表)

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とある席上で、企業経営者が、特許審査の世界統一を訴えた。しかし―専門家には、特許性有無の判断は難しいことではない。問題は、世界統一ではなく、ひとえに、いま使っている代理人の能力は大丈夫かということ。つまり、特許に必要なのは代理人の選択なのだ。

国際特許―出願が先か、
展示会出品・マスコミ発表が先か

展示したり発表してから6ヶ月以内に出願すればその発明の新規性は失われないという特許法30条の規定がある。これには二つの大きな問題点がある。新規性は失われないが、その展示を見た他人に先に出願されてしまえば負ける。先後願の争点までも救おうという規定ではないからだ。

二点目、この規定は日本法ゆえに日本国内でのみ有効だということ。欧州にはこのような規定がない。日本で出願前に展示・発表してしまえば欧州での救済の途はない。中国でも救済されないと考えておくべき。

筆者の米国のお客さんが工作機械を東京での国際見本市に出品したところ、その工作機械に人気が出て日本での販売活動が始まった。そのうち、競合会社との営業員間で「うちの特許を侵害しているのではないのか」という話しが持ち上がり、調べてみるとその競合会社がその工作機械そのものの特許を持っていた。その出願日は国際見本市の後であり、かつその競合会社の複数社員がその国際見本市に来訪していたことが記録リストからも確認できた。

筆者のお客さん側は、言われなき侵害の疑いをかけられ営業の邪魔になるゆえに、競合会社のその特許をつぶそうとした。不幸にも、特許庁で敗けた。知財高裁に提訴し、やっと主張が認められ、特許を無効にすることに成功した。展示会出品前の特許出願を怠ったために、余計なコストと時間とエネルギーを浪費した。

これから学ぶべきは、出品する前には特許出願しておくのが常識ということ。これさえしておけばコストも時間も最小限で済んだものを。学会や論文発表も同じ。特許が稼ぎの根幹である製薬業界ではまず出願というのが20年以上も前からの常識だ。

代理人の選択

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