中部北陸が一体で「おもてなし」

これまで各県・各観光地単位で進められてきた観光プロモーション。中部北陸9県へのインバウンドの半数を占める、アジアから旅行客増加を目指し、一つの観光エリアとしての観光プロモーション戦略が始まっている。

白木広治 国土交通省中部運輸局企画観光部国際観光課 課長補佐

2013年6月、カンボジアのプノンペンで開催された「第37回世界遺産委員会」において、「富士山」が世界遺産に登録された。正式名称は「富士山--信仰の対象と芸術の源泉」。静岡県と山梨県にまたがる富士山を中心としたエリアは、観光客のさらなる増加機運が高まっている。

中部北陸9県(愛知・静岡・岐阜・三重・福井・石川・富山・長野・滋賀)には、その他にも「白川郷・五箇山の合掌造り集落」や「紀伊山地の霊場と参詣道」といった世界遺産をはじめ、伊勢神宮、松本城、金沢など、世界から観光客が訪れる観光地がある。

これらの観光地は、それぞれに魅力的ではあるが、各県・各観光地が独自で宣伝活動を展開しており、外国人観光客にとっては、"点"の観光地であった。それを"線"に、さらには"面"にと広げ、一体となって観光プロモーションを行うことで、より一層の集客を図ろうという動きが始まった。それが『昇龍道プロジェクト』である。

官民・地域の枠を超えた動き

2013年3月に「昇龍道プロジェクト推進協議会」が発足。中部経済連合会や北陸経済連合会といった経済団体をはじめ、中部運輸局・北陸運輸局といった行政組織、さらには観光団体や民間企業など400を超える団体がその会員だ。

中部北陸9県へのインバウンドの半数を占めるのは、中華圏や東南アジアからの旅行客。その増加を目指したプロモーションは、9県が一体となり、官民の枠を超えて同じ目的を持つ横断的プロジェクトとして始動した。

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