これまでの深掘り作業の絞り込み
今回は、前回の〈特記〉「ジョンソン・エンド・ジョンソンの経営理念―“我が信条”」を肉付けし、それに続いて6回に亘るシリ―ズの要約として、「理念実現型経営」のKFS(Key Factors for Success:成功要因)を絞り込みます。
〈特記〉J&Jの「我が信条」の肉付け
前号からの継続として、J&Jの「我が信条」に関し、次の3点を中心に肉付けしておきましょう。
第1は、「我が信条」の本質は、このシリーズで展開されている枠組みから見ると、「ネオ創業訓+経営理念+行動指針の三位一体の融合体」という性格を持っています。
第2は、「我が信条」で明記されている4つの責任の優先順位(=順序付け)― 英語表現では“priority”(=sequence)― です。
とかく(悪い意味での)「株主至上主義」が跋扈(ばっこ)する米国において、「我が信条」の完成直後のプレス・レリースの席上で、ネオ創業者ロバート・ウッド・ジョンソンは、次のように語りました。
「私の経営者としての経験が示すように、自社は、(1)~(3)の責任をこの順序で完遂することを通じて、結果的に(4)を完遂することができるのです」。
それでも「株主至上主義」を盾にして食い下がる記者たちに向かって、彼は冗談半分に次のように反論したそうです。「諸君、J&Jの“ダントツ”の筆頭株主は誰かご存知ですか?」 創業者トップあるいはネオ創業者トップの「自社の経営理念に対するこの強烈な思い入れ」が、同社の「我が信条」の源流にあることを心に刻みましょう。
「4つの責任:(1)顧客責任、(2)社員責任、(3)社会(地域社会+地球社会)責任、(4)株主責任」 第3は、経営システム・プロセス面での「全社ぐるみの完璧なフォローアップ体制」です。その代表的な事例としては、同グループでは「クレド・チャレンジ・ミーテイング」および「クレド・サ-ベイ」という2つの支援システム・プロセスが見事に機能しています。
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