千葉大学 ソーラー・デカスロンへの挑戦
世界の大学が次世代ソーラー住宅の性能を競うソーラー・デカスロン。千葉大学チームは2014年フランス大会に日本から唯一出場する。前回大会の雪辱を晴らし、見事栄冠をつかむことはできるか。
大学20チームが競争
ソーラー・デカスロンは世界中から集まった大学チームが、太陽光発電システムを搭載した住宅を建築し、その性能を競う大会だ。デカスロン(10種競技)の名前どおり、単にエネルギー効率を争うだけでなく、デザイン性や快適性、持続可能性など全10項目で得点を競い、総合順位を決める。プロジェクトの主体は学生だが、資材提供や技術支援などで数多くの企業も協力しており、ある意味では国をあげた住宅技術の競争とも言える。
2002年にアメリカ・エネルギー省の発案で始まった大会は、これまでアメリカで5回、ヨーロッパで2回開催されてきた。8回目となるフランス大会は来年6月にベルサイユ宮殿の近くで開かれる。応募44チームから一次審査を通過した16カ国・20チームが、10日間という短期間でプランに基づいた住宅を建築、2週間の公開二次審査を経て最優秀チームが選ばれる。千葉大学は日本からは唯一、参加チームに選ばれた。
世界の壁を感じた前回大会 フランスでは1位に
千葉大学は、2012年9月にスペイン・マドリードで開催された大会に初めて出場。今回は2度目の挑戦になる。前回から引き続き学生代表を務める田島翔太さん(大学院工学研究科博士課程)は、「前回大会の教訓を活かし、フランスでは本気で1位を狙っていきます」と意気込む。
スペイン大会では、工学研究科建築学科を中心に、園芸学研究科、看護学研究科、教育学部など大学横断でチームを結成。日本の伝統と最先端技術を融合し、自給自足を可能にした「おもてなしハウス」を企画した。屋根には大型ソーラーパネルを設置し、家全体を真空断熱材で被い、広い軒先や縁側といった日本の建築文化も取り入れて省エネを実現。園芸学部が開発した家庭用植物工場のほか、敷地内に水田を設置して、食の自給も自給した。スペインには学生33人が渡航。約2週間、看護学部学生の健康管理を受けつつ、早朝から深夜まで3交代制で建設作業を続けた。
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