1000人の村を「丸ごと」売り込む

高知市からクルマで走ること約2時間、険しい四国山地の山間に、全国からの視察が絶えることのない人口970人足らずの小さな村がある。特産ゆずを使った加工品の開発で、地域のブランド化に成功した「馬路村」だ。

馬路村には、広大なゆず畑が広がっている

現在、馬路村には60種類近くのゆず関連商品があり、売上高は年間31億円に上る。さらに、村を丸ごと売り込むという徹底した挑戦も奏功し、アクセスが便利とは言い難い馬路村に、およそ6万人の観光客が足を運ぶ。そんな村の活性化に貢献し、けん引役を担ってきたのが、馬路村農業協同組合だ。

年間150日デパートへ営業

菊池史香
馬路村農業協同組合 営農販売課

「馬路村では、昔から食卓でゆず果汁を使う文化が根付いていました。村の基幹産業だった林業が衰退したのを機に、ゆずの生産を本格化させる一方で、馬路村農協が組合員のつくったゆずの搾汁を始め、販売を開始したのが1970年代です。しかし、ゆずを食す習慣がなかった県外では、ゆず果汁はなかなか浸透しなかったようです」と、馬路村農協広報の菊池史香氏。

そこで、県外においてもゆずが食卓にのぼるようにと、ジャムやジュースといった加工食品開発に取り組んだことが、今日の大ヒット商品「ぽん酢しょうゆ・ゆずの村」や「ごっくん馬路村」誕生の足掛かりになった。

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