新バスシステムが果たす地域活性化 都市機能リンクするBRT構想
新潟市は、市内中心部へのバス高速輸送システム(Bus Rapid Transit=BRT)導入を構想する。平成26年度末の新潟駅~青山間の暫定開業を目指し、第1期導入計画がスタートした。

「萬代橋」BRT走行イメージ(CG)
提供:新潟市
移動に何を使うかを調べる代表交通手段分担率で、自動車が約7割を占める新潟市。市民一人当たりの移動における二酸化炭素排出量が、全国県庁所在地の中でワースト3と、環境面での課題を抱える。
自動車への依存率が高まる中、地域の公共交通利用は年々減少し、バス利用者は昭和45年をピークに6分の1まで激減。利用者の減少に伴い、バスの運行便数も、ここ10年で約2割減少、郊外では廃線に追い込まれる路線もでてきた。
路線の廃止や便数の減少が続けば、公共交通の空白地域が出てくる恐れもある。都市政策部新交通推進課の米山弘一課長は、「利用者の減少がバスの便数を減らし、便数の減少がさらに利用者を減らす、この負の連鎖を食い止めなければ...」と話す。
環境面での問題に加え、高齢化の進展で自動車を運転できない市民が増えていく今後を鑑みれば、過度に自動車に頼らなくても快適に便利に移動できる公共交通環境の整備が喫緊の課題。
BRT構想は、環境負荷が少なく、超高齢社会に対応できる町づくりを目指した、都市交通戦略だ。
簡単で効率的な移動を実現
BRTとは、連節バスが主に専用空間を走り、より早く、より正確に、より多くの人を運ぶ次世代バスシステム。

BRT導入区間 提供:新潟市
海外では新潟市の姉妹都市であるナント(仏)やクリチバ(ブラジル)などで導入されているが、国内都心部での導入事例は、まだ少ない。
市では、平成24年2月に基本方針を発表。第1期(平成26年度~平成31年度頃)は、新潟駅から信濃川にかかる萬代橋を渡り、中心市街地である万代・古町を通り白山駅に至る都心軸へ導入。第2期(平成34年度を目標)には、サッカースタジアムや野球場、市民病院などの施設が集まる、新潟駅から南の鳥屋野潟南部地区まで延ばし、南北路線を繋ぐ。
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