「稼ぐ京都」をつくる、行政戦略

これまでにはない切り口から、京都の「稼ぐ力」を育てていくには―。地域の個性を磨きつつ、世界に向けて売り込んでいくための戦略を京都府に聞いた。

京都府の14の可能性 みやこ構想

京都府の各地域の資源と個性を生かし、それぞれを「みやこ」として活性化させたい。そんな思いのもと、2010年に14のプロジェクトが立ち上げられた。その総称を「みやこ構想」という。

「そこに住む人が誇りを持てる地域をつくるために、地域の予算を使おうというプロジェクトです。地域への誇りは、他地域の人たちから褒められることで育まれます。そのためにも各地域の『お宝を磨く』必要がある」と、京都府企画理事の山下晃正氏は言う。

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プロジェクトはそれぞれ3年目を迎え、シーズが生まれつつある。「複数のプロジェクトを組み合わせれば、より大きな効果が発揮されるでしょう」(山下氏)。その一例として「京都舞鶴ランドブリッジ構想」が紹介された。

「京都には世界中から観光客が訪れるにもかかわらず、ファーストドアとなる玄関口がいまだありません。まず関空に着いてから、特急『はるか』に乗って約1時間半といった具合に、さまざまな交通手段を経て京都入りせねばなりません」

同プロジェクトでは、舞鶴港と韓国・浦項(ポハン)港を結ぶフェリーの開通を検討。実際に舞鶴・釜山の両市民らが行き来するモニターツアーも行い、上々の反応を得た。

「これが叶えば、観光やビジネスにより多くのチャンスが生まれるでしょう。そこに『丹後・食の王国構想』や『日本海観光構想』、あるいは舞鶴の造船工場などの技術などを生かす『北京都ものづくり拠点構想』が組み合わさることで、相乗効果を狙えます」

1つのプロジェクトと、残り13のプロジェクトを組み合わせ、幾通りもの成長戦略を描く。

関西イノベーション 国際戦略 総合特区医薬・医療・環境分野におけるアプリケーションを強化

ここでは、京都府、大阪府、兵庫県、京都市、大阪市、神戸市の6自治体と関西の経済界で昨年度に申請し、認可を受けた「関西イノベーション国際戦略総合特区」を紹介したい。

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