寄附者を株主へ、町のビジョンに共感

北海道東川町は、ふるさと納税制度によって、「町の応援者と交流人口の増加へつなげる」という明確なビジョンを掲げている。独自の制度である「ひがしかわ株主制度」について、聞いた。

東川町長 松岡 市郎

「上水道がない町」を強みに

東川町は北海道のほぼ中央に位置し、大雪山国立公園の一部を成している。大雪山連峰の最高峰旭岳(2,291m)は町の象徴で、広がる森林と緑が織りなす景観は多くの観光客をひきつけている。豊かな水と肥沃な土地を生かした農業、家具づくりをはじめとする木工業が盛んで、近年は観光業にも力を注いでいる。

「町には3つの道がない」といわれる。国道、鉄道、そして上水道だ。上水道がないというのは大雪山から運ばれてくる豊かな地下水があることの裏返しで、各家庭では地下にボーリングを掘り、地下20mにある水脈を吸い上げて生活水として使っている。町では上水道がないことをプラスにとらえ、「おいしい水、うまい空気、豊かな大地」でまちをPR。旭川空港から車で15分、JR旭川駅からも車で30分という交通アクセスの良さも手伝って、移住してくる人も多い。町の人口は、2005年に7,701人、2010年に7,859人、2017年11月には8,324人となっており、北海道では数少ない人口増加エリアとなっている。

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