世界中から人が集まる創造都市に

東京と名古屋のほぼ中間に位置する静岡市。通過都市から脱却し、人々が集まり交流する都市を目指して、シティプロモーションや地域ブランド育成に力を注ぐ。田辺信宏市長に戦略を聞いた。

──総合計画の中では、静岡市の集客力向上を強く打ち出しています。

たなべ・のぶひろ/1961年生まれ。85年早稲田大学政治経済学部卒業後、松下政経塾入塾(第6期生)。91年静岡市議、95年静岡県議。11年に静岡市長に就任。

静岡市には年間2500万人の観光入込客があります。しかしこのうち、1泊以上滞在するのは150万人、わずか6%です。金沢市は32%、札幌市は47%であることを考えると、極めて少ない数です。

なぜ静岡市は通過都市になってしまったのか。東京や名古屋から近いという理由もありますが、それだけではないはずです。戦略的なシティプロモーションと魅力ある静岡ブランドの確立に、行政と民間が密接に連携して取り組む必要があります。

─具体的な取り組みは。

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シズオカ×カンヌウィークは13万人の来場者を誇る

ひとつは積極的なMICE(国際会議や展示会など)の推進です。この大きな成果として、国際連合の軍縮会議の誘致に成功しました。今年1月に富士山を望む日本平ホテルで開かれた会議にあわせて、市内各地で平和・国際交流イベントを開催し、ホスピタリティの高さを感じて頂けたと思います。来年には静岡市で初めて、日本陸連公認コースでのフルマラソン大会が開かれます。

海外からの集客に向けて、富士山静岡空港の就航先である韓国や台湾で重点的にプロモーションを行っています。

豊かな自然を誇る奥静岡エリアの「オクシズ」ブランド発信、静岡市出身の漫画家さくらももこさんのイラストを使用した「静岡市はいいねぇキャンペーン」など、さまざまな事業に取り組んでいます。

富士山の世界遺産登録に伴い、構成資産に登録された三保の松原は、8-9月の観光客が大幅に増えました。盛り上がりを一瞬で終わらせず、持続させることが大切です。松の保全や観光客向け施設の整備を早急に進めていきます。

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