部下と職場、自分を育てるためのフィードバック 効果的な5つの伝え方
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年8月11日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

職場での業績に対するフィードバック(評価)は、新任リーダーや従業員にとって、ストレスの原因となることがある。フィードバックをする場面では、不安や不確実性を感じ、防衛的な態度になってしまうことが少なくない。
リーダーは、自分のフィードバックがどのように受け取られるか、また職場の人間関係にどのような影響を与えるかについて懸念するだろう。一方で従業員は、評価や批判を受けることに対して不安を感じ、防衛的な反応を示すことがある。
それでもなお、フィードバックはこれまで以上に重要である。今日のように複雑で予測不可能な状況が常態化している中、リーダーは多様な視点や正確な情報にアクセスし、適切な意思決定を行い、戦略的にアプローチを修正する必要がある。
多くの従業員は職場で発言することをためらうため、継続的な学習と開かれたコミュニケーションを重視する企業文化を構築することが重要である。これには、組織全体で建設的なフィードバックをすることにも受けることにも積極的に取り組むことが求められる。
フィードバックが慎重に行われ、従業員にとって建設的だと受け止められる場合、従業員の潜在能力と実際のパフォーマンスとのギャップを埋め、混乱している状況で目標や進むべき方向をはっきりさせることができる。
特に新任リーダーにとって、フィードバックを提供する能力を身につけることで、単にパフォーマンスの問題を指摘するだけでなく、成果を認め、従業員の成長を促し、信頼関係を築くことができる。
リーダーの役割を果たすために
業績に対するフィードバックは、リーダーと職場にとっていくつかのメリットをもたらす。まず、フィードバックにより、現在のパフォーマンスと目標との間のギャップを確認でき、課題を把握して改善戦略を立てることが可能になる。こうしたズレを理解し対応することで、リーダーは職場全体のパフォーマンスを向上させることができる。
また、マネジメント職は特に役職が上がるにつれて、責任範囲が広がり、意思決定のプロセスが複雑化し、直接的に管理することが少なくなるため、不透明で不確実な状況が多くなる。
従来の管理手法、たとえば職務記述書や定期的なパフォーマンスレビューは、こうした複雑さに対応するには不十分である。したがって、フィードバックを積極的に求めることが、リーダーとしての役割を発揮するためには不可欠である。

リーダーは、急速に変化するビジネスにきちんと対応するために、同僚、顧客、メンター、業界の専門家など、さまざまな情報源からのフィードバックを求める必要がある。従業員からのフィードバックは、リーダーがチームの集合知を活用し、意思決定を改善し、戦略的なずれを特定し、革新的な解決策を探るための手助けとなる。
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