実用化が進む廃ガスを利用したバイオ燃料生産 循環型社会へのカギを握る微生物
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年10月7日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
微生物は常に空腹だ。そして地球上の至る所に無数に存在している。私たちの目には見えないが、土壌、湖、海洋、熱水噴出口、家庭、さらには私たち自身の体内や皮膚にも棲んでいる。彼らは単に存在しているだけではない。常に食べており、その活動は地球全体の元素循環に影響を及ぼすほどだ。
多くの微生物は、地球上の元素循環を絶妙なバランスで維持するために尽力している。しかし、現実には人間の介入によってそれらのバランスが大きく変化してしまったこともある。
これは一見すると厳しい状況に思えるが、変化の可能性も示唆している。その変化の鍵は、私たちを含め地球上のあらゆる生物が持つ「食べる」という基本的な性質にある。顕微鏡でしか見えないほど小さなものから、最も大きなシロナガスクジラまで、すべての生物は食物を必要とする。微生物の食料となるものは、実に幅広い。リンゴを好むものもいれば、乳糖(ラクトース)を分解してヨーグルトやチーズを作るものもいる。そして非常に多くの微生物は廃棄物を好んで食べる。
たとえば下水処理では、何十億もの微生物が汚水に含まれる栄養分を喜んで食べている。これにより、私たちの健康リスクを軽減し水質を向上させている。とても素晴らしいことだ。
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