環境負荷低減、衣料品循環を目指す2つの名門 オンワードホールディングス VS.ワールド

ファッション業界では大量生産・大量消費・大量廃棄が一般化し、製造過程で莫大な資源・エネルギーを使うため環境負荷が大きいなど、世界的な課題を抱える。このため、アパレルメーカーでは生産から利用、廃棄に至るライフサイクル全体にわたる環境負荷低減、新たな素材の開発や物流効率化、リユース/リサイクルの促進など、サステナブルなファッション産業を目指す取り組みに力を入れている。日本を代表する名門ファッション企業、オンワードホールディングスとワールドの2社は今、サステナブルファッションの実現に向けてどのような戦略を進めているのか。

オンワードホールディングスは、1947年に「樫山商店」として創業、50年代に紳士服の生産・販売を開始した。80年代にかけてニューヨークやパリ、ミラノに進出、90年代には「組曲」、「二十三区」、「五大陸」などの国内ブランドも確立し、2000年代に入ると英国「ジョゼフ」買収などM&Aを強化してグローバルアパレルメーカーとなった。今日、「オンワード樫山」をはじめとするファッション関連領域の他、バレエ用品の「チャコット」などのウェルネス領域、企業ユニフォーム領域の3事業を展開する。

同社は「Green Onward」を旗印に循環型社会を目指すサステナブル経営を進めており、2009年からは衣料品循環に向けた「オンワード・グリーン・キャンペーン」を行っている。活動は、長く愛用できる商品・サービスの提供、無駄なモノを作らない生産体制構築、販売・物流効率化など「地球にやさしいモノづくり」を理念とし、オーダーと裁断機のデータ連動による残布削減、工場から消費者へのダイレクト配送などに力を入れる。自社衣料品の循環に向けては、東京にリユース店を開設した他、「アップサイクル・アクション」として、社員が自由な発想でデザインするアップサイクル活動も実施。2026年7月には、子どもがデザインしたアップサイクル子ども服のファッションショーを予定している。

ワールドは、1959年、神戸市で創業。70年代に子供服、小売分野、メンズ、スポーツ分野へ業域を拡大し、80年代に繊維商社、百貨店市場に進出する一方、上海や台北にも拠点を設けてグローバル展開した。現在、子供服のナルミヤ・インターナショナルやカジュアル衣料のライトオンなどを傘下に持つブランド事業、EC運営などのデジタル事業、生産・調達などを担うプラットフォーム事業を展開するが、B2CとB2Bの2領域に事業を整理する再編も進んでいる。

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