事業構想スピーチ 生きた事例・知見からヒントを掴む
事業構想スピーチ
生きた事例・知見からヒントを掴む
事業構想には、広い視座と見識に基づき、自身の理想の事業の姿を描くと共に、実現に向けて社会動向や経営資源などを冷静に分析し、計画に落とし込んでいく必要がある。本学独自のカリキュラムである「事業構想事例研究(事業構想スピーチ)」は、各界の一線で活躍する起業家、経営者、専門家、研究者、クリエイター等、多彩なゲストによる経験や研究に基づき、事業構想の事例分析を行い、自身の事業構想の探究につなげることを狙いに開講している。
仙台校でゲスト登壇した渡部哲也氏(アップルファーム代表取締役)は、仙台郊外で人気の自然派ビュッフェレストラン「六丁目農園」を経営する。最寄り駅から徒歩20分という立地ながら東北各地や関東からも定期的に訪れるファンがいるこのレストランは、障がい者がスタッフの約8割を占める。講義では渡部氏の事業の発・着・想やダイバーシティ(多様性)実現に向けた構想と実践が共有された。
下掛宝生流能楽師の安田登氏をゲスト招聘した東京校では、「能に学ぶ継続戦略~なぜ能は650年続いたのか~」をテーマに能楽の歴史や語源をはじめ、あらゆる角度から新鮮な視点が示された。現地では安田氏の言葉に思わずうなる院生の姿も。講義では夏目漱石「夢十夜」の実演もありクリエイティブな刺激あふれる空間となった。
事業構想の実践者であるゲストから提供される事例・知見は、構想のヒントに満ち溢れている。幅広い分野から多彩なアイデアに触れ、院生は新たな気づきと発見につなげていく。
<現役院生の声>
経営者自ら大学院へ
経営支援と地域活性への挑戦
富山で不動産会社を事業承継し、富山での不動産事業と並行して、中小企業診断士の資格を活かし大阪で企業の経営支援に取り組んでいます。コロナ禍の当時、様々な企業からの経営相談を受ける中で、ヒントを求めて書店を訪れた際に偶然見つけた『月刊事業構想』から本学の存在を知り、その後入学にいたりました。
経営者は、新しいことにはリスクが伴うため、現状維持を選択しがちです。しかし本学で研究すると、新しい挑戦のためのリソースがまだまだあることに気づかされ、現状維持に対する危機感も抱くようになりました。
中小企業診断士としての仕事は、企業の課題に関する相談だけでなく、地域の課題に関する相談も受けることがあります。地域経済の活性化という大きな視点からのテーマについても、診断士の仲間と共に取り組んでいます。こうしたアイデアを構想として本学で深めていきたいと考えています。
AI時代のその先へ
クリエイティビティを拡張させる事業構想
約17年間クリエイターとして活動する中で、さまざまな環境変化がありました。AIの発展やクリエイティブツールの民主化、爆発的に普及したスマートフォンとSNSを背景に、プラットフォーマーによってクリエイティビティが搾取され、消費目的で作られた質の低い無駄なコンテンツが溢れかえっていると感じています。
私は消費目的のクリエイティビティに強い違和感を覚えています。本来クリエイティビティとは、人間にのみ備わった創造する能力であり、この不確実な時代を生き抜いていく上で、極めて重要な力だと考えています。そのため、経済的価値のみに利用されるのではなく、より良い社会を目指す中でクリエイティビティが活かされ、循環していく仕組みを構築できないかと模索しています。本学での2年間の事業構想研究を通して、この理想を検証し、実現可能で価値ある構想を生み出したいと思います。
事業構想大学院大学 修士課程
事業構想セミナー
直感・共感・官能のアーティスト思考
7月20日(土)11:00~12:30
東京校(表参道)・オンライン開催
参加費:無料
登壇者 松永エリック・匡史
事業構想大学院大学 特任教授
青山学院大学地球社会共生学部 学部長
音楽家
ONE+NATION Digital&Media Inc. 代表取締役CEO
自分の感覚を信じ、物事の価値を瞬時に捉える“直観”
第三者の感情に寄り添い価値を感じる“共感”
感覚器官を最大限、敏感にすることで得られる“官能”
従来のビジネスでは重視されなかったこれらの感性こそが、新しい価値創造の原点となる。
本セミナーでは、『直感・共感・官能のアーティスト思考』著者である松永エリック・匡史氏がその一端を解説します。
事業構想大学院大学公式ホームページ
www.mpd.ac.jp
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