ECと物流シェアで地産地消 現場視点で解きほぐす農業の課題
地域の農業が抱える課題解決のため活動を開始したエムスクエア・ラボ。農家による生産物のEC販売と、定期運行するトラックによる物流を組み合わせた「やさいバス」は、地元の農家が生産した野菜を域内で流通させ、地域につながりを作る策として注目されている。
昔ながらの商慣習や多段階の流通、後継者不足など農業には複雑な課題の糸が絡まっている。こうした課題を、作る人(農業者)、使う人(スーパー、飲食店)、食べる人をつなぐことで解きほぐそうとしているのが、エムスクエア・ラボとやさいバスの社長を兼任する加藤百合子氏だ。
生産者と飲食・小売店をつなぎ
域内の流通を支える
やさいバスは、地域で無駄なく野菜を売り買いできる新たな流通の仕組みとして注目を集めている。その仕組みはこうだ。小売店や飲食店などの購入者がスマートフォンやパソコンを通じて、地域の生産者に必要な野菜を発注し、発注を受けた生産者は野菜を収穫してバス停に見立てた集荷拠点に持っていく。この際、販売する野菜の価格は生産者が決める。この仕組みを導入した地域では、冷蔵設備を搭載したトラック「やさいバス」が毎日定時に巡回している。バスは「バス停」で生産者から野菜を引き取り、購入者には受け渡しを希望する「バス停」で渡す。卸売市場を経由するよりも短時間で新鮮な野菜を届けられるだけでなく、地域内で共同配送システムを構築することで物流コストの大幅な削減が可能となる。また農業者が価格決定の主導権を持っているため価格の乱高下に振り回されることもなく、持続可能な農業にも貢献する。
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