めっき技術と独自の発想で 世界をリードする化学企業を目指す

従業員45人の少数精鋭で年商150億を生み出し、また世界のエレクトロニクス産業を支える日本高純度化学。ハイエンドの電子部品の接点に用いる金・パラジウムなどの貴金属めっき薬品に特化している。2022年4月に新社長に就任した小島智之氏に、同社の強みや今後の戦略を聞いた。

小島 智敬(日本高純度化学 代表取締役社長)

日本高純度化学は、1971年の設立以来、エレクトロニクス分野を事業フィールドの核に据え、半導体をはじめとする電子部品向けの金めっき薬品、銀めっき薬品、パラジウムめっき薬品の開発・製造・販売を行ってきた。同社の歴史は、精密な貴金属めっきが不可欠なパソコンやゲーム機、携帯電話の発展・普及と軌を一にしている。

開発型のファブライト企業
日本初のMBOでも知られる

「我々は、限りなくファブレスに近いファブライトの開発型企業です。『選択と集中』『スピード』『フォーミュレーション(製品の処方設計)』がその特徴です」と、同社社長の小島氏は説明する。

「選択と集中」では、最先端の電子部品の接点に用いる貴金属めっきに特化し、技術の深化、ニーズの先取りを行ってきた。貴金属めっき市場では技術・サービスともに圧倒的優位を確保。電子部品向け貴金属めっき薬品では、世界でもトップクラスのシェアを持つ。「ハイエンドのスマートフォンではほぼ100%が日本高純度化学のめっき薬品を使って作られています。半導体大手のインテルほか、精密電子機器のグローバル企業が顧客です」。また商社を通じた販売体制をメインとすることで、経営資源の開発への集中を図っている。

ハイエンド製品向けのめっき液のレシピ開発のため、走査型電子顕微鏡など高性能な分析機器を社内に備えている

「スピード」については、専門性の高い社員が少数精鋭で開発・製造を手掛け、実現している。社内のコミュニケーションはスムーズで、改善サイクルは非常に速いという。さらに、営業・技術・製造・管理をフラットにした組織体制を作り、社内の意思決定や顧客対応をスピーディに行っている。

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