時事テーマから斬る自治体経営 「脱炭素」の注意点

2000年代後半から一気に流行り、急速に廃れていった概念に、「二酸化炭素排出量を可能な限り少なく抑える」という「低炭素」がある。それに代わり、近年よく聞くようになったのが、「脱炭素」「カーボンニュートラル」という言葉だ。地方自治体が脱炭素に取り組むには、どのような方法があるのだろうか。

脱炭素と低炭素の経緯

現在、「脱炭素」が注目を集めている。以前は「低炭素」という概念があった。低炭素社会とは「二酸化炭素(温室効果ガス)排出量を可能な限り少なく抑える社会」を示している。そして脱炭素社会とは、「地球温暖化の原因である二酸化炭素(温室効果ガス)排出量が実質ゼロになる社会」を指す。脱炭素の方が、より高い目標ということがわかる。

冒頭の菅元総理大臣の発言にある「カーボンニュートラル」(carbon neutral)とは、二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることである。日常生活から排出される二酸化炭素の量と、吸収される二酸化炭素の量とを同じにすることである。また、大気中にある二酸化炭素の量がこれ以上増加しないことも指している。

図表は、主要4紙において、1年間に「低炭素」「脱炭素」の記事が登場した回数の推移である。低炭素が縮小し、脱炭素が注目を集めつつあることが理解できる。簡単に経緯を振り返る。

図表 主要4紙において2年間に脱炭素・低炭素の記事が登場した回数

出典:@niftyの新聞・雑誌記事横断検索(https://business.nifty.com/gsh/RXCN/)から筆者作成

 

2008年7月に、国は「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定した。同計画は、2008年6月当時の福田内閣で置かれた「地球温暖化問題に関する懇談会提言」の内容(通称「福田ビジョン」)がもとになっている。同計画は「世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減」という長期目標を掲げ、「低炭素社会」の実現を強調している。

しかし、図表のように、低炭素の機運は低下しつつある。その理由は、私見になるが、政権交代があったり、リーマンショックや東日本大震災などの非常事態が起きたり、地方創生をはじめとする別の大きな取り組みが始まったりして、低炭素よりも優先順位の高い政策が登場したからだと考えている。

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