屋外向けパワーソースのデンヨー 脱炭素の時代も市場をリード

エンジン発電機、エンジン溶接機の分野で高い国内シェアを持ち、世界150カ国以上へ製品を納めるデンヨー。1948年の創業から70年以上、屋外向けパワーソースのトップランナーとして走り続けてきた。脱炭素化への動きが進むなか、新しいエネルギーを生かした新規事業開発や成長戦略について聞いた。

白鳥 昌一(デンヨー 代表取締役社長)

1948年、日本電気熔接機材という名でスタートしたデンヨー。当時、電気溶接機は略して「でんよう」と呼ばれており、現社名はそこに由来する。1959年、日本初の高速エンジン溶接機を開発、生産を開始。通常の溶接機は電源から電気を引いて使うが、デンヨーではコンセントがない屋外で溶接したい、というニーズに応える製品を生み出した。動力源としてエンジンを載せたエンジン溶接機がそれだ。

エンジン付きの溶接機で
屋外での作業をサポート

同社社長の白鳥昌一氏は「屋外建設現場や災害現場、離島や山間部など、電気が通っていない場所の屋外工事、屋外作業に特化した製品を作ろうという発想が、一番のポイントです。このエンジン溶接機が、戦後復興期の建築現場で重宝され、事業発展の大きなきっかけとなりました」と話す。1961年には、「屋外で電気を自由に使えるように」という発想から、エンジン発電機の開発にも着手した。

デンヨーの製品の主なフィールドは一貫して屋外で、電気のない所での作業をサポートする製品を開発、生産している。白鳥氏は、野外作業のパワーソースを提供し続けることがデンヨーの使命であり、成長の源泉もここにあると考えているという。また同社の創業以来の伝統的な経営理念は「三者の得」。デンヨーの製品を、使う人、売る人、造る人の三者がそれぞれ利益を享受する。これを具現化するべく、新たな製品とサービスを常に考え、技術力、製造力、販売力を高めてきた。

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