生成系AIが変える医療・ヘルスケア テクノロジーの急速な進化の影響

医学・行政・ビジネスの観点から医療・ヘルスケア業界の事業戦略を考える本連載。生成系AIの進化が止まらない。AIが生活に浸透し、AIにサポートされて仕事を行う日常もそう遠くなさそうだ。こうした社会で、医療・ヘルスケアビジネスはどう変わるのか。

事業開発と持続的成長に
影響を与えるテクノロジー

人工知能(AI)の研究所であるOpenAIが、3月14日に「GPT-4」を発表しました。これはインターネットの登場と同じくらい(もしくはそれ以上に)時代を大きく変えるテクノロジーであり、事業に携わる方は全員、社会の変化を意識しながらビジネスを変革させる必要があるほどのインパクトがある出来事です。

本連載の当初から話をしてきたことですが、医療・ヘルスケア領域の事業を考えるときは「事業開発(0⇒1)」と「持続的成長(1⇒10、100)」のフェーズでそれぞれ注目すべきポイントがあります。「事業開発(0⇒1)」では、エビデンスや医療者ならではのインサイト、座組などの「医療現場」視点、規制を中心とした「医療制度」視点、そしてマネタイズなど「ビジネス」視点という3つの視点が重要です。そして「持続的成長(1⇒10、100)」のためにはメガトレンドと呼ばれる未来への視点、すなわち社会構造の変化や医療政策、経済動向などに注目する必要があります。そして、事業開発も持続的成長も「テクノロジー」の進歩に大きく影響を受けます。今回のGPT-4の登場は「テクノロジー」、AIが昨年時点では想像できなかったほどに進歩し、誰もが使える形で社会実装されるようになったことを示しています。「テクノロジーが進化するにつれて世の中が少しずつ変わっていく」ことは筆者自身もわかっていましたが、これほど急速に進むとは予想外でした。

AIが人類の知能を超えて、人間の生活に不可逆的な変化が起こるという「シンギュラリティ」の到来は2045年と言われていたはずですが、今では2025~2026年頃に来るとされています。事業開発をする人は皆、この影響を考えないわけにはいられません。

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