産官学金連携で起こす 地域イノベーション
産官学金連携で起こす
地域イノベーション
桐生信用金庫と事業構想大学院大学は、新たな産業を生み、持続可能な都市の実現に向けた共同プロジェクトとして、「太田新事業創出プロジェクト研究」を発足し、10月31日に開講した。(後援:太田市、太田商工会議所)
会場となる「きりしん太田スクエア」は、桐生信用金庫が、新たなイノベーションや産業創出を目指して、地域社会全体の活性化に貢献したいという考えから本部機能を太田市に移転し、2022年10月に開業した施設だ。同庫は、創立100周年に向けて、地域との強い信頼関係を築きながら、地域社会の発展に貢献することを目指している。
同プロジェクト研究では、事業構想の基本的な知識・スキルの習得にとどまらず、参加する地元企業間で「知の探索」を実践することで、自己や自社の思考と視野を広げ、相互に刺激し合いながらアイデアを生み出し構想を構築していく。地元企業15社から1名ずつが研究員として参加。どのような共創が生み出されるか、今後の研究に期待が高まる。
地域メディアとの共創で
新しい長崎をつくる
長崎では、長崎放送と共催で「長崎新価値創出プロジェクト研究」を2023年4月より開講している。西九州新幹線の開業や、MICE施設の設置など、100年に一度と言われる地域創生と産業構造転換のチャンスを迎える長崎。長崎放送は同プロジェクト研究で、地域の人材育成、地元企業との共創による地域における新価値創出、そして持続可能な地域づくり・活性化を扇動し、長崎への新たな地域貢献を目指す。開講から半年が経ち、10月には中間発表会を行った。
中間発表ではそれぞれ構想を発表し、担当教員からフィードバックを受けた。残りの半年間で更に構想をブラッシュアップし、実現可能な構想へ落とし込んでいく。
<研究員の声>
自社の業態を見直し
新たな風を起こす事業を構想
食品業界は原料の高騰など、非常に厳しい状況に置かれています。当社はBtoBの食用加工油脂専業メーカーとして食品事業のみで展開しているため大きな影響を受ける中、経営層の「自社に新しい事業を」という想いに共感し、私も新しい風を起こしたいと、このプロジェクトに参加しました。
研究会の中で印象に残っているのは、「お客様はドリルではなく、穴が欲しい」というドリル理論です。私たちの事業においても、「お客様が何を求めているか」を徹底的に深堀しなければならないと改めて感じ、今の自社業態を更に磨き直すきっかけになりました。
また、研究会のメンバーとは、日頃から顔を合わせていましたが、研究会を通して、互いを理解しながら会社の将来を真剣に話し合う討議ができたことも、貴重な経験でした。
院生と研究員の交流で
新たなコミュニティの創造へ
本学は東京・名古屋・大阪・福岡・仙台の5拠点に校舎があり、修士課程、プロジェクト研究等に多様な社会人が通っている。通常は少人数制で講義や研究会を行っているが、「クロスネットワーキングイベント」として、普段話す機会が少ない修士課程の大学院生とプロジェクト研究の研究員が一堂に介し、交流する機会を設けている。
イベントは参加者同士の名刺交換から始まり、院生・研究員混合のグループディスカッションを通して、互いの構想にアドバイスをしたり、グループで新たな構想のアイデアを考えたり、活発に意見交換をする姿が見られた。参加者からは、「異業種の方のアイデアから多くの気づきを得られた」、「自身の構想のフィールドリサーチの協力者が見つかり、有意義だった」と感想があった。今後も各校舎で定期的に開催していく。
プロジェクト研究
プロジェクト研究は、事業構想大学院大学 修士課程のカリキュラムのエッセンスを活かし、研究参加者の新たな事業構想と事業計画構築を行う1年間の研究会です。
担当教授が1年間を通じて、多彩なゲストを招きつつコーディネートとファシリテーションを行い、研究員の知見を高めながら推進していきます。
プロジェクト研究 概要
研究会:定例研究会(1回4時間、隔週24回開催、共同研究会年6回)等
形式:テーマ型/一社型
目的:新規事業、既存事業の再構築、地域活性などの構想・構想計画構築
定員:10〜15名
主担当教員:事業経験豊富な実務家教員
事業構想セミナー
「2030年まで待ったなし!今から見直すべき気候変動の移行期戦略とは」
日時: 12月 7日(木)13:00〜14:00
12月14日(木)13:00〜14:00
(オンライン)
参加費:無料