主要省庁の2024年度概算要求 DX・グリーン化をさらに強化

中央省庁の令和6年度(2024年度)概算要求が出揃った。各省庁は、幅広い産業及び行政分野でのDXや、脱炭素社会の実現に向けたグリーントランスフォーメーションを推進する方針だ。注目すべき事業をまとめた。

経済産業省

経済産業省の2024年度要求総額は前年度当初予算額比約7700億円増の2兆4615億円となった。脱炭素社会の実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)推進対策費に1兆985億円(同約6100億円増)を計上したほか、物価高騰に苦しむ中小企業・小規模事業者等の成長支援、大阪・関西万博の会場整備などを重点政策として挙げた。

GX関連の新規事業としては、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費(910億円)、GXサプライチェーン構築支援事業(1171億円)、蓄電池の製造サプライチェーン強靱化支援事業(4958 億円)、半導体の製造サプライチェーン強靱化支援事業(1078億円)などに加えて、GX分野のディープテック・スタートアップ支援事業(407億円)に着手した。GX分野のスタートアップは、その技術や事業が確立するまでの研究開発に長期かつ大規模な資金を要するという課題がある。そこで本事業は、リスクの高いものの、中長期的な社会課題の解決に資すると考えられるスタートアップの幅広い研究開発を支援する。5カ年の事業で、支援終了後1年以内に、次シリーズでの資金調達を実施したスタートアップの割合を5割にすることを目指す。

イノベーション領域では、スタートアップ育成・新陳代謝の促進に168億円(同27億円増)、イノベーションエコシステムの構築に1030億円(同135億円増)を計上。ディープテック・スタートアップの起業・経営人材確保や、衛星コンステレーション構築等の宇宙開発を抜本的に加速するためのJAXAによる弾力的な資金供給能力の強化などに取り組む。

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