医療ビジネスの成功を左右する、チームの人選で気をつけたいこと

医学・行政・ビジネスの観点から医療・ヘルスケア業界の事業戦略を考える本連載。事業立ち上げの際、個性あるコンセプトと事業を担う人材が重要なことは言うまでもないが、医療領域でそれ以上に注意を払うべきなのが座組、チームの人選だ。

本連載ではヘルスケア領域でどのように新規事業の種を見つけたらよいか、そしてその際にどのようなことに注意すべきかについてお話ししてきました。今回は、主に企業内で新規事業を立ち上げる初期の段階で筆者が注意している3つのポイントをお伝えします。これは新規事業という「事業」だけでなく、ブランディングをどう行うかや、どうしたら医師が集まるかといった、直接的に収益を上げることを目的としていない「プロジェクト」などにも使えるポイントです。

事業立ち上げ時の3つのポイント

ヘルスケア領域の新規事業(新規プロジェクト)立ち上げで押さえておきたい3つのポイントは、「コンセプト」「座組」「熱狂者」です。

医療・ヘルスケアビジネスを立ち上げる際にはチームの座組が重要となる。特に非医療者による事業立ち上げでは、医学的な専門知識の面からも医療者を座組の中に加えることが必須だが、“だれをチームに加えるか”の目利きが必要になる

コンセプトとは、同じ課題や「不」(不便・不満など)を解決しようとしたときに、どういう独自の切り口で解決しようとしているかということで、差別化ともいえるでしょう。“独自の切り口”を探索するための視点は、①なぜ自社がするのか、②大企業の手法か、ベンチャーの手法か、③なぜ今できるのか、の3つです。

①は、企業内での新規事業であれば必ずプレゼン資料などに盛り込むでしょうから思い当たるかと思いますが、「自社のこのリソースを使うからこそ他社と差別化ができる」という点を再認識しましょう。よく、大企業の方から自社の強みから離れた“飛び地”の新規事業を相談されることがありますが、仮にその内容はよかったとしても、自社のリソースを活用できないとなると、その事業は同じ領域を攻めるベンチャーと同じ土俵で戦うことになってしまいます。②にもつながりますが、せっかく大企業の「社内」新規事業としてやるのであれば、独立してやるのと同じリソースで新規事業をする必要はありません。仮に“飛び地”のように見える新規事業であったとしたら、強引にでも“陸続き”にする方法を考える方が賢明です。

②の大企業の手法とはいわゆる「横綱相撲」のことで、他の大企業とアライアンスを組むということです。ベンチャーはいきなり大企業と組むことはできません。実績を積み、よいプロダクトができ、ユーザーに使われて初めて大企業が手を組んでくれます。大企業は大企業だからこそとれる戦略を、ベンチャーはベンチャーなりの戦略をとるべきです。③については、多くの場合そのアイデアを思いついたのはあなたが初めてではないでしょうから、なぜ今そのアイデアが実現されていないのか検証する、ということです。それは顧客の理由なのかもしれないし、開発側の理由なのかもしれない。この点を明らかにできれば、コンセプトにも反映でき、強みが増します。

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