ヘルスケアビジネスを実行に移すタイミングは、いつか?

医学・行政・ビジネスの観点から医療・ヘルスケア業界の事業戦略を考える本連載。事業アイデアを磨き、よりよいものに育てていく「リーン・スタートアップ」は新規事業に取り組む際の定石のひとつだが、それは医療・ヘルスケア領域の事業でも通用するのだろうか。

どう発想し、どう実行するか?

医療・ヘルスケア領域の新規事業に多くかかわらせてもらうなかで、「どうアイデアを出したらいいのか」「リーンスタートアップと聞くが、どのような状態で事業を始めてみればよいのか」と聞かれることが増えました。特に後者については、本連載では触れていなかったテーマかもしれません。

前者については、自身の経験などから解決したい課題があるならそれをテーマにするのがよいでしょうし、後者についても「これくらいまでできたら事業を公開して社会の反応を見る」というタイミングは自分の感覚で決めてもよいのですが、今回は、どのようにして偶然に頼らずに新規事業のアイデアを出し、そして実践に移すのかについて考えてみたいと思います。

守破離式、新規事業発想法

アイデアの創出に関しては第10回(本誌2021年6月号)でも触れましたが、質問をいただくなかで多い誤解が「無からアイデアが生まれる」ということです。

インスピレーションが働き、何もないところから革新的に新しいアイデアが生まれるというのは幻想です。むしろ、多くのアイデアは既存のアイデアとの掛け合わせです。今までの連載でお伝えしてきたように、医療・ヘルスケア領域では未来を想像し、その未来にあるべき姿・あるべきものの差分を開発していくという考えがあります。逆に、「今必要とされている」事業を考えるときには、誤解を恐れずに言うと、むしろアイデアは「真似る」ことから生まれてくるのです。

少し脱線しますが、「学ぶ(まなぶ)」の語源は「真似る(まねる)」と同じだといいます。そして「学ぶ(まなぶ)」は「まねぶ」とも言われていたようです。つまり、学びとは他者のやり方を「真似る」ことから始まるのです。

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