日本旅行業協会がSDGsアワードを創設 持続可能な観光への挑戦

アフターコロナの旅のキーワードのひとつとして挙げられる、サステナブルツーリズム。日本旅行業協会(JATA)は2023年度、旅行業界でのSDGsの取り組みを推進する「JATA SDGsアワード」を創設。大賞にはエイチ・アイ・エスの取り組みが選ばれた。

コロナ禍以降、欧米を中心に観光客のサステナブル志向が高まっている。観光地や旅行商品が持続可能な取り組みを行っているかが、観光客にとってのプラン選択の重要な指標になっており、旅行会社や観光地ではサステナブルツーリズムの商品造成が盛んに行われるようになっている。また、環境保護や自然エネルギー活用など、SDGsグローバル指標への観光事業者自身の貢献も、強く求められるようになっている。

旅行業界をあげたSDGsへの対応が急務だが、日本は諸外国に比べ取り組みが遅れており、「どのように取り組むべきか」、「何から始めるべきか」という声も少なくないという。そこで日本旅行業協会(JATA)は、会員会社が実施しているSDGs達成に向けた優れた取り組みを周知・共有するために、JATA SDGsアワードを創設。7月に表彰式を開催した。

アワードでは、①社会・人権部門、②経済・産業部門、③地球環境部門、④共創部門の4部門で行われ、部門ごとに優秀賞を選定、優秀賞の中でも最も優れた活動に大賞が贈られた。

大賞に選ばれたのはエイチ・アイ・エス(HIS)の「旅を通じて、カンボジアの子どもたちに学びの機会と楽しさを届ける」(社会・人権部門優秀賞)。カンボジアでの6日間の旅行で、課外授業を通じた子どもたちとの交流や、小学校建設の手伝いを経験できるプログラムだ。

JATA SDGsアワード大賞を受賞したHISのカンボジアスタディツアー

 

HISは日系旅行会社として初めて、2005年に直営支店をカンボジア・シェムリアップに開設。アンコールワットなどの世界遺産観光ツアーからスタートし、2010年から孤児院を訪問するスタディツアーを開始した。このスタディツアーで、HISは2017年に子どもたちが無料で通える公立小学校をツアーの参加者と共に建設。小学校をフィールドに、現在もさまざまなスタディツアーを実施している。課外授業では、運動会や科学実験、異文化体験を通じてカンボジアの子どもたちと交流。また、小学校建設の手伝いでは、これまで巨大滑り台や図書館の建設を行ってきた。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り65%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。