デジタル通貨「ルーラコイン」を核に、地方の観光地を潤す

初の観光特化型デジタル通貨「ルーラコイン」で注目を集めるルーラ。実証実験を経て導入地域を増やしながら、「ルーラNFT」や「ルーラトークン」など、地域を活性化する様々な事業開発を同時並行で進めている。

温泉振興からデジタル通貨が誕生

2022年2月、ルーラは日本初の観光特化型地域デジタル通貨「ルーラコイン」を発行した。全国の観光地・温泉地で横断的に使える通貨だが、その背景には、ルーラの関連会社であるエンバウンドが展開してきた、「温泉むすめプロジェクト」がある。

加盟店に設置されたルーラコインのQRコード

「私は福島県の出身ですが、震災後の福島の現状を見て、自分も故郷の活性化のために何かしたいと、6年前にエンバウンドを設立しました。そして、全国の温泉地をキャラクター化して若い人に足を運んでもらおうという『温泉むすめプロジェクト』を立ち上げました。実際にZ世代と呼ばれる人たちを送客し、一定の成果は出せました。しかし、もっと観光地にお金を落とせる仕組みを作りたいと、デジタル通貨とブロックチェーンに着目し、観光を組み合わせてルーラコインを開発しました」とルーラ代表の橋本竜氏は語る。

株式会社ルーラ 代表取締役 橋本 竜氏

温泉むすめプロジェクトにより観光地との直接的なリレーションがすでにあることが、同社の最大の強みだ。ルーラコインの実証実験は今年2月より、有馬温泉を皮切りに福島県の飯坂温泉、下田・伊東温泉で実施。利用者はエリアを跨いで使うか、客単価・客数は上がったか、利用者はどこでいくら使ったかなどを調査した。例えば下田では5カ所をピックアップしてデジタルスタンプラリーを行ったが、実施後、全ての場所で店舗売上や来場者が倍増したという。

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