ヤマト運輸 「簡単・安価・安心」な見守りサービス

ヤマト運輸が提供する見守りサービス「あんしんハローライトプラン」は電球交換だけで簡単に利用でき、異常発生時に設置先と連絡が取れない場合、同社スタッフに高齢者宅の訪問を依頼できるサービスだ。自治体と連携しながら、超高齢化社会を支える仕組みを構築していく。

電球交換だけで高齢者見守り
月1,078円で安否確認まで実施

日本では約700万人の独居高齢者が存在すると言われる。その数は年々増加しており、地域コミュニティの希薄化などで社会との接点が減り、高齢者の孤立化は顕著になっている。地域の自治体や事業者、団体による高齢者の見守りネットワークの重要性が高まる一方で、地域包括支援センターや民生委員、介護福祉事業者や自治会などの人材不足や高齢化も深刻化しており、十分な体制が築けていないのが現状だ。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大によって、家族が訪問し見守ることも困難になっている。

こうした課題解決を目指し、ヤマト運輸は2021年2月から見守りサービス「あんしんハローライトプラン」を全国で提供している。

IoT電球を活用した独居高齢者の見守りサービス「あんしんハローライトプラン」

「あんしんハローライトプラン」のサービスフロー

出典:ヤマト運輸

 

通信機能を持つIoT電球(ハローライト)を活用したサービスで、住宅のトイレや廊下、リビングなどの電球をハローライトに交換するだけで導入できる。明かりが点灯あるいは消灯したまま、前日の午前9:00から24時間ON/OFFの動きが無い場合に電球が自動で異常と検知し、事前に設定した通知先へアラートメールが届く。

さらに、通知後に利用者へ連絡が取れない場合や訪問が難しい場合、ヤマト運輸のスタッフが設置先に代理訪問し、利用者の安否を確認する。設置費用は無料、月額利用料は1,078円(税込み)と、家計に負担なく導入できる。

「特徴は、導入が容易で安価、安心な点です。電球内に埋め込まれたSIMが通信を行うため、Wi-Fiなどの通信機器やネットワーク工事は一切不要です。電球の設置から異常時の連絡、依頼時の代理訪問までを一貫して行います」と、ヤマト運輸多摩主管支店営業担当マネージャーの川野智之氏は語る。

川野 智之 ヤマト運輸 多摩主管支店 営業担当マネージャー

宅急便の全国ネットワークを活用

ヤマト運輸は、8万人超のドライバーと約3,700カ所のネットワークを活かし、少子高齢化などにより生じる地域の課題解決を実現する地域共創事業に注力している。第一弾として、2016年4月から家事・買物のサポートなどの生活関連支援を行う「暮らしのサポートサービス」を提供する「ネコサポステーション」を東京都多摩市で展開し、その後千葉県松戸市、神奈川県藤沢市で展開してきた。

その活動の中で、高齢者の孤独死や地域の見守りネットワークの弱体化といった社会課題に直面したことが、「あんしんハローライトプラン」の着想につながったという。

「高齢者の見守り市場は年々拡大し、様々な見守りツールや訪問対応まで行うサービスも登場しています。しかし日々の確認や緊急時の訪問はご家族や自治体が行う場合が多く、利用者や自治体の経済的負担が大きいことが課題でした」

そこでヤマト運輸は、宅急便ネットワークや今まで培ってきた地域住民との信頼関係といった経営資源と、IoT電球「ハローライト」を組み合わせ、2020年6月から多摩ニュータウンで実証実験に着手。その結果、利用者や地域から高い評価を得た。

「電球を交換するだけで導入できるシンプルさや、設置から訪問まで弊社スタッフが対応する安心感、そして経済的負担の小さいことが好評でした。潜在ニーズに応えられていると強い手応えを感じました」。そして2021年2月から全国に提供を拡大。一般家庭はもちろん、マンション理事会や居住支援法人がサービスを導入するケースも増えているという。

自治体との連携を加速
高齢者見守りの課題を解決

過疎が深刻化する地方部はもちろん、都心部でも「あんしんハローライトプラン」のニーズは大きい。ヤマト運輸は今後、全国の自治体と連携しながらサービスの拡大に取り組む方針だ。

「現在、独居高齢者は全国に約700万人いると言われており、弊社だけで全ての人にサービスを届けることは困難です。一方、増加し続ける独居高齢者への対応を苦慮している自治体も多いと思います。官民がお互いの強みを活かして自助・共助・公助を機能させ、地域一体となった見守りの仕組みを構築し、社会課題の解決へ取り組むことが重要であると考えています」

自治体と連携協定などを結び、サービスの情報発信や、設置・利用のサポートなどで協力することを想定しているという。自治体の見守りネットワークの中にサービスを組み込み、異常発見時に関係部署や民生委員にも通報する仕組みも考えられそうだ。

すでに東京都日野市では、ハローライトの設置費を補助する制度が2021年2月にスタート。「全国の複数の自治体様とサービスの導入に関する協定や契約に関する協議を進めています」と川野氏。地域包括支援センターや社会福祉協議会からの問い合わせも非常に多いという。

ヤマト運輸地域共創推進部の松良信一課長は「『あんしんハローライトプラン』は弊社のリソースを活用した他社に真似できないサービスです。地域社会の課題解決に貢献するために、自治体様や介護福祉事業者様と連携してサービス拡大を目指していきます。また、地域によって社会課題はそれぞれ異なりますので、今後、地域に合ったサービスの開発・展開に取り組んでいきたいと考えています」と語った。

松良 信一 ヤマト運輸 地域共創推進部 課長

増え続ける独居高齢者の見守りに悩む地域にとって、「あんしんハローライトプラン」は超高齢化社会に対応したまちづくりを実現するための重要な手段になりそうだ。

 

お問い合わせ


ヤマト運輸株式会社
地域共創推進部
MAIL:chiiki-kyoso@kuronekoyamato.co.jp
TEL:0120‐545425
(ネコサポステーションサービスセンター)
URL: https://nekosapo-order2.kuronekoyamato.co.jp/

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