社会構想大学院大学へ名称変更 日本初の総合専門職大学院に

学校法人先端教育機構が運営する社会情報大学院大学は、教育研究領域の拡大に伴い、2022年4月より大学名を「社会構想大学院大学」へと名称変更することを発表した。加えて、広報・情報研究科を「コミュニケーションデザイン研究科」へ名称変更し、専攻・学位名も変更する。

吉國浩二 社会情報大学院大学 学長(左)
川山竜二 同学監兼実務教育研究科長(右)

同大学は、2017年4月に社会人を対象に、日本唯一の広報・情報の専門職大学院として開学した。2021年4月で5年目を迎え、コミュニケーション領域の高度専門職業人養成に取り組んできた。

「社会情報」の名称は、企業・組織に求められる「社会における情報やコミュニケーションの流通を適切にコントロールする能力」の重要性を啓発し、素養を養う目的を踏まえ付された。大学運営を進めるなかで、入学者は広報担当者に留まらず、経営企画部門やマーケティング部門など、企業・組織の情報を適切に扱い、ひろく社会の構想を志す多様な社会人が入学する実情があった。また、専門職業人養成を担う実務家教員自体の能力を底上げする必要性から、2018年度に附属研究所である「先端教育研究所」および同所が運営する「実務家教員養成課程」の設置、2021年4月には「実務教育研究科」の設置など、社会に偏在する実践知を体系化し、普及・伝達できる高度専門職業人の育成にも取り組んできた。

これらの経緯から、同大学の教育研究領域は「社会情報」を超え、コミュニケーションや教育といった幅広い視点から社会と組織のグランドデザインを提言する『社会構想』人材の育成にあると考え、今回の名称変更に至った。あわせて、広報・情報研究科広報・情報専攻は、「理念を基軸にしたコミュニケーション戦略」の教育・研究を目的に教育課程を推進してきたが、国際的な通用性をも担保する名称として「コミュニケーションデザイン研究科コミュニケーションデザイン専攻」への名称変更を行うに至った。

同大学学監で実務教育研究科長の川山竜二氏は、「『社会構想大学院大学』の名称には、コミュニケーションや教育を通じて、より良い社会を構想して発信していく、という意味を込めている」と説明した。

同大学は、共生・共創に向けた広報・コミュニケーションの在り方を研究する「コミュニケーションデザイン研究科」と、これからの教育の在り方、実務教育、教育と実社会の連関を研究する「実務教育研究科」という、分野を横断した二つの研究科を有する、国内初の総合専門職大学院となる。

漢字の「人」をイメージした2つの図形を組み合わせた新しいロゴデザインは、社会を構成するのは人であり、理想の社会は人と人とのコミュニケーションや教育によって形成されると考える同大学の理念を示すとともに、人間社会・構想を示す青色をベースとして希望・平和を示す黄色、哲学を示すグレーを織り交ぜることで、理想の社会を表現したもの。

同大学の吉國浩二学長は、「本学の目的をより鮮明にしたことで、課せられた使命を再認識し、教育活動をさらに強めていきたい」とした。