「両利きの経営」でVUCA時代に挑む SDGs経営の先進事例

未来が予測不能な現代、変化を好機と捉え、自ら変革を先導するリーダーが求められている。自社のコアバリューを活かした事業を構想し、発展を遂げてきた実践者は、どのような戦略で変化へと果敢に立ち向かい、どのようにこれからの経営を見据えているのか。

岩城 慶太郎
  アステナホールディングス 代表取締役社長CEO

事業構想大学院大学事業構想研究所は9月、オンラインセミナー「未来を創る 構想と実践の先導者」を開催。サステナビリティ経営の実践者による講演やディスカッションを通して、今後企業に求められる新規事業開発や経営のあり方を議論した。

冒頭、事業構想研究所の河村昌美教授は、企業に構想と実践が求められる理由を説明した。「P・F・ドラッカーは『我々は未来について2つのことしか知らない。一つは、未来は知り得ない。二つは、未来は今日存在するものとも、今日予測するものとも違う』と述べています。社会環境の複雑性が増し、将来の予測が困難な今、伝統的なマネジメント手法は上手く機能しなくなりつつあります」

VUCA時代の経営理論として近年注目を集めるのが「両利きの経営」だ。これは、知の深化(既存事業の強化)をしながらも、知の探索(新しい知を求めた冒険)を行うバランスが経営に求められるという考え方だ。「VUCA時代には様々な知を探索し、既存知の新たな組み合わせを発見すること、すなわちイノベーションが必要です。特に他者との共創によるオープンイノベーションが重要になります」

能登半島の「最先端」で
SDGs×新事業×地方創生に挑戦

続いて、両利きの経営や共創を実践するアステナホールディングスの岩城慶太郎代表取締役社長CEOが登壇。

アステナホールディングスは1914年創業、医薬品や化学品を展開する東証一部上場企業だ。今年6月のホールディングス体制移行とともに、社名をイワキから「明日」と「サステナブル」を組み合わせた新社名に変更。新たに策定した2030年までの長期ビジョンでは、サステナビリティ戦略に基づき、事業をプラットフォーム事業(ファインケミカルおよびHBC・食品)、ニッチトップ事業(医薬および化学品)、ソーシャルインパクト事業(SDGs・地方創生)の3つに再定義した。

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