北大・地域水産業共創センター 水産業の未来を創る「大学の知」

北海道大学函館キャンパスに2022年10月、地域水産業共創センターが設置された。産学官金連携による地域の課題解決と新しい価値の共創に取り組み、知の拠点・シンクタンクとして函館、道南の地域振興に貢献する。その使命と行動指針について、都木靖彰センター長に聞いた。

聞き手 : 小宮信彦 事業構想大学院大学 特任教授/電通 シニアイノベーションディレクター

北海道大学地域水産業共創センター長 都木靖彰氏(右)と事業構想大学院大学特任教授/電通 シニアイノベーションディレクター 小宮信彦氏(左)。

豊かな「海の恵み」を
社会に届け続けるために

小宮 水産学は「海の学問」ですが、海洋学とは立場が違うと伺いました。

都木 海洋学が魚を、生態系を構成する「個体群」と呼ぶのに対し、水産学は同じ魚を「資源」と呼びます。人が利用することを前提に、海の恵みを人の生活や経済活動とどう結びつけるかを総合的に扱います。

小宮 一般に、理系の研究は常に産業の近くにあると思いますが、水産業は事情が異なるのですか。

都木 医薬品などであれば特許の取得や、大学発ベンチャーとして育てる道がありますが、水産の場合、産業化の相手は漁業者や漁業協同組合、地域の中小の水産会社です。研究・開発に大規模投資できる会社は多くありません。水産業で大学と企業が連携しようとする我々の取り組みは難しく、「新しい挑戦」といえます。

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