群馬県、楽天と包括連携協定で地域DX チャレンジが生む共創

デザイン思考を取り入れた共創による施策形成に取り組む群馬県。2021年2月に楽天と包括連携協定を締結し、先端技術の社会実装支援や、観光にデータを活かすためのワークショップなどを開催した。

 地域の課題を構造化し問いをたて、地域のありたい姿とそこに向かう取組のアイデアを地域住民と共創する「未来共創ワークショップ」の開催など、デザイン思考による施策づくりに挑戦する群馬県。今年度は、リサーチやプロトタイピングを行い、ワークショップで生まれたアイデアの実装にも取り組む。

 群馬県未来創生室 未来創生・風の谷実現係 係長の原口大樹氏は、「行政職員が共創の場を作り出すファシリテーターとして自走できるよう、厳選した講座を開講するなど、日々鍛錬しています」と説明する。民間企業との連携や、データ活用、ボトムアップによるDXの推進なども盛んだ。

原口 大樹
  群馬県知事戦略部 戦略企画課 未来創生室 未来創生・風の谷実現係 係長

楽天との包括連携から広がる
共創と地域活性化

このような背景があり、2021年2月には、群馬県と楽天グループが包括連携協定を締結した。群馬県やみなかみ町と楽天は、ワーケーションの実証実験などで以前から関係を構築しており、それを発展させたものといえる。協定の項目は以下の6テーマだ。①官民共創による地方創生、②観光分野のデジタルトランスフォーメーション、③ECを軸とした魅力発信、④ぐんま5つのゼロ宣言と防災、⑤多文化共生・共創、⑥新たな価値を生み出すデジタル化及び安全性・持続性の追求。また、協定に基づく取組の実現のためにプロジェクトチームも結成した。

ドローンパイロット養成から
技術の社会受容へ

既に形になった協定の成果としては、2021年12月にみなかみ町で開校した「楽天ドローンアカデミー みなかみ校」がある。ドローンパイロットの育成を目的としたスクールを開校するのは楽天でも初めての試み。

「同アカデミーが開校したことで、群馬県としてもこれまでにない取り組みができるようになりました。はじめに、ドローンや空飛ぶクルマといった最新技術への社会受容性を高めることを目的としたワークショップを、様々な立場の人たちと協力して開催しました」と原口氏は話す。

このワークショップの成功が、次の展開、すなわち楽天の持つ膨大なデータを活用した地域活性化のワークショップ開催につながった。2022年4月に開催された「楽天データLAB in みなかみ-関係人口創出ワークショップ-」と題するイベントだ。県庁職員、楽天の社員、みなかみ町役場の職員、地元の宿泊事業者がまじりあって議論する場となった。

「開催を延期したりして、リアル開催にこだわりました。そして関係者の尽力でワーケーション施設の『さなざわテラス』を会場に開催することができました」と原口氏はいう。ワークショップでは、マーケティングデータを活用した旅行プランとその販売戦略を考えた。2日にわたるイベントは盛り上がり、一体感が生まれ、終了後に参加者は名残を惜しむ雰囲気に包まれたという。

ワークショップで使用したデータは、生データを使いやすいように加工したもので、データ分析の専門家ではない参加者も議論に加われるようになっていた。原口氏は、「データの活用方法を学び、具体的なアイデアにつながる極めて実践的なワークだというふうに思います。ペルソナの設定には、参加者の方の人生が垣間見えるような人間的なワークでした。データの活用を学ぶだけでなく、チームビルディングにも使えそうだと感じました」と振り返った。今後も群馬県では、デジタルの力を活かした新しいチャレンジを続けていく。

 

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楽天グループ株式会社
コマースカンパニー
地域創生事業 共創事業推進部

TEL : 050-5817-3600
MAIL : rev-co-innovation-info@mail.rakuten.com
URL : https://region-empowerment.rakuten.co.jp/

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