創業110年を超える「メーカー商社」 変化への柔軟さが成長の鍵

福岡県に本拠地を置くリックスが、創業から100年以上も成長を続ける理由には、商社としてスタートし、約50年前に自らも開発・製造を手掛ける「メーカー商社」として舵を切ったことがある。社会の変化に柔軟に対応し、顧客に徹底的に寄り添う姿勢を貫き続ける。

安井 卓(リックス 代表取締役社長)

自ら開発・製造も手掛ける
「メーカー商社」の地位を確立

100年以上の時を、企業が成長し続けることは容易ではない。2020年に創業113年を迎えるリックスがそれを成し得ている理由は、この企業が変化に敏感かつ柔軟に対応してきたからだ。

「常に、現状維持をよしとせず、社会の変化、お客様や仕入先様の変化に追随してきました。お客様にとってなくてはならないパートナーであり続けることは、今後も変わりません」と安井卓代表取締役社長は話す。

これまで、いくつものターニングポイントがあった。まず、足袋屋として創業した後、官営八幡製鉄所(現・日本製鉄)へ地下足袋の納入をきっかけに産業機械商社への転換。さらには、顧客と商品の多様化をすすめ、新しい取引業界(自動車・半導体など)を次々と加えていった。

そして、現在のリックスを形作ることとなったターニングポイントと言えるのが、1969年に回転継手メーカー協和工業を吸収合併し、福岡工場として稼働を開始したことである。「ここで、商社という業種にプラスアルファの価値を付けたことが、現在も続くビジネスモデルとなりました」と安井氏。

自社製品である工作機械用回転継手。リックスは小さな製品から大きな装置まで、鉄鋼、自動車、電子・半導体等の各業界向けに産業機械の製造・販売を行なっている「メーカー商社」だ

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