聴診器をデジタル化 遠隔診療の拡大を支える

患者の聴診音を医師のヘッドホンに無線送信するデジタル聴診デバイス「ネクステート」を開発したシェアメディカル。医師と患者の間の距離を保ちつつ、静音の中で聴診音を聴きとることができ、録音することもできる。医学教育の発展、遠隔地のオンライン診療の精度向上にも期待が高まっている。

峯 啓真(シェアメディカル 代表取締役)

アナログ×テクノロジーの産物
革新的な聴診デバイス

――「ネクステート」を開発されたきっかけと、その特徴について教えてください。

2年前に、友人の医師から「学校健診で児童100人を診たら、聴診器の付け外しで耳が痛くなった。聴診器って、医大生のころから全然形が変わっていないんだよね」という話を聞き、新しい聴診器の開発を着想しました。医療現場のちょっとした悩みはどの医師も共通です。日本国中、27万人のドクターが困っている可能性が高く、大きなビジネスになると思いました。

調べてみると、1816年にフランスの医師、ルネ・ラエンネックが聴診器の祖となるものを発明して以来、素材は変わっても、中空のものを胸に当てて音を聴くという構造はまったく変わっていませんでした。ある意味、完成したプロダクトだということです。

音を聴くならマイクが適しているだろうと、最初はピンマイクで試しましたが音がうまく拾えず、台湾の音響機器メーカーと組んで専用のセンサーを開発しました。集めた音をアンプで増幅し、Bluetooth®を利用してワイヤレスヘッドホンで聴かせるのがデジタル聴診デバイス「ネクステート」です。身体の中は意外とにぎやかです。心臓、肺、胃や腸など音を出す臓器や器官は人体にはたくさんあります。精神集中を要する聴診が、完全な静音の中でできるということで、医師たちの間で話題になりました。

デジタル聴診デバイス「ネクステート」

この製品開発では、新しい聴診法を開発するのではなく、今の聴診器をアップグレードしましょうというアプローチに徹しました。音響や無線の機能を納めた箱体の先端に今までどおりのアナログな聴診器(チェストピース)がついていることで、誰でも用途がわかります。医師にも患者さんにも抵抗なく受け入れられます。

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