2020年7月号
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変革への挑戦

日本の食をリードする〈本わさび〉を全国、世界へ発信

小林 一光(金印 代表取締役会長)

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創業以来、高品質な加工わさびを提供し続けてきた加工わさび業界のパイオニア。国産原料にこだわり、独自の製法で風味をそのまま残した商品の数々はロングセラーに。いま〈本わさび〉への回帰に注力し、日本の伝統食の素晴らしさを、日本全国そして世界へ伝えようと挑む。

国産わさびにこだわる

1929年(昭和4年)、名古屋に青果を扱う商店として開業した金印。1937年(昭和12年)に、わさび乾燥機を開発し高品質なわさび量産に成功。『金印わさび』の名前を付けて販売したのが、加工わさびメーカーとしての始まりだ。

以来、加工わさびメーカーのパイオニアとして、次々と新商品を開発。1969(昭和44)年には、業界初となるからし粉を混合しない純粋品『金印粉わさび』を発売。1971(昭和46)年には業界初の『金印ねりわさび小袋』を発売し、トレーパックの刺身に添付する小袋入の形態に。わさび本来の風味と香りが評価され、大ヒット商品となった。

金印の小林一光会長は「品質の高い、金印の粉わさびを使い、練って、急速冷凍させることで、風味と香りを保つ工夫をしました。当時、各スーパーの鮮魚売り場では、大きな器で粉わさびを練って、一人前ずつ刺身のトレーに盛っていました。その手間を解消しようと開発したのです」と話す。

小林 一光(金印 代表取締役会長)

加工わさびの原料となる本わさびや西洋わさびは、一般的に中国などからの輸入品が主流。しかし、金印では「安心安全にこだわり、昔から国内の原料にこだわってやってきた」(小林会長)という。長年にわたり栽培試験と品種改良を続け、各地の生産者と共に良質の原料を栽培してきた。

新鮮さが命となる本わさびについては、日本各地で栽培されたものを、収穫後、各地の一次加工所で丁寧に選別、洗浄し瞬間冷凍させる。わさびの香りと辛みはすりおろすと同時に減少していくため、独自の『超低温すりおろし製法』を開発。原料をマイナス196℃の超低温下ですりおろし、香りと辛みを閉じ込める。凍結したまま充填・箱詰めした商品は、マイナス20℃の冷凍庫で、出荷まで保管される。

超低温すりおろし製法の機械

同社では、原料開発から栽培、加工・出荷までの一貫生産体制を確立するべく、2014年に農業法人金印アグリを設立している。

本わさびの素晴らしさを再発信

金印が、近年、特に力を入れるのが、本わさびを使用した商品。

「日本人でも、本わさびの美味しさを知らない方はたくさんいます。貴重で数が少なく、高級ですので、食べたことのない方が多いのです。しかし、本わさびは1300年前の飛鳥時代から薬草として使われてきたくらい、健康機能性の高い食材です。香りや風味も高く、若い方で、市販のチューブわさびが苦手でも、すりおろした瞬間の本わさびを食べると“美味しい”と仰います。日本の伝統食であるこの〈本わさび〉の良さを、もっと多くの人に伝えていきたいと思っています」(小林会長)。

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