ワタミファーム 居酒屋でオーガニック、農業テーマパーク開業へ

居酒屋『和民』をはじめ、ファストカジュアルまで17ブランドの外食事業を展開するワタミ。2002年より有機農業へ参入し、全国10カ所に日本最大級の有機農場『ワタミファーム』を保有する。2021年3月には、岩手県陸前高田市に『ワタミオーガニックランド』のオープンも予定している。

有機農業は土づくりから

1984年、東京・高円寺にオープンした1軒の居酒屋からスタートしたワタミ。現在は、国内に17ブランドの外食事業を展開し、海外でも世界8地域で7ブランドの外食事業を展開している。また、弁当宅配の『ワタミの宅食』は全国514 営業所を持ち、高齢者宅配事業で売上シェアNo.1を誇る。

ワタミが農業に参入したのは、2002年。農業生産法人・有限会社ワタミファームを設立し、千葉県山武町(現・山武市)で有機農業に取り組み始めた。ワタミファーム社長の西岡亨祐氏は、「外食店舗に来てくださるお客さまに、農薬などの気にならない、安全安心で美味しい料理を届けたいという想いからスタートしました」と話す。

環境への負荷の少ない土づくり、土壌が持つ本来の力を引き出した野菜づくり、ストレスのかからない、より自然な飼育方法にこだわった養鶏や酪農......。これが、ワタミファームの取り組む農業だ。

「ワタミファームでは土づくりにこだわってきました。堆肥や緑肥を使うことで、二酸化炭素を土に固定し、環境に負荷のかからない土づくりをし、その土から作物を作り、飼料を作って農業や酪農を行ないます。酪農については、放牧して牛を飼うことで、牛乳やチーズやバターに転換してきた本来の姿を追求。穀物飼料を与えて乳量を増やすのではなく、動物にも地球にも優しい飼育方法に取り組んできました」(西岡社長)。

西岡 亨祐(にしおか・こうすけ)ワタミファーム 代表取締役社長

ワタミファームでは有機JAS認証のほか、2017年11月からJGAP(Japan Good Agricultural Practice)認証の取得を進めている。JGAPは農林水産省が推進している農業生産工程管理手法で、ヨーロッパを中心に広まっているGLOBAL GAPを日本の指針に合わせ、整備したもの。認証農場では、食品の安全性、労働安全、環境保全などの条件を満たしている必要がある。ワタミファームでは、国内の8農場でJGAPの認証を取得、今後は牧場でJGAP認証の取得を目指していく。

ワタミ流・オーガニックの広め方

ワタミでは2018年からグループ全体でSDGsの啓発に努めてきた。2019年4月にはSDGs推進本部を設立、事業活動の中でSDGsを実践するための、タスクフォースチームを結成。様々なチームがそれぞれの課題解決に向け動いているが、外食事業におけるテーマのひとつが、オーガニックの作物を店舗でメニューとして提供すること。

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