ユーグレナ、バイオ燃料で日本初の有償フライトを目指す

「人と地球を健康にする」を理念に、ミドリムシを使用した新事業を次々と展開する株式会社ユーグレナ。食品や化粧品販売、バイオジェット燃料の製造・開発で日本初の有償フライトを見込む。2020年を控えた今、イノベーションの更なる展開と展望について聞いた。

ミドリムシ(学名・ユーグレナ)

バイオ素材を革新の起点に

ユーグレナの事業の原点は、創業者・代表取締役社長である出雲氏が、大学1年生の時に訪れたバングラデシュで、栄養問題に直面したことにある。出雲氏は帰国後にミドリムシ(学名・ユーグレナ)の培養に関する研究を始め、2005年に東大発ベンチャー企業として株式会社ユーグレナを創業、世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功し、更に次代のバイオ素材としての幅広い応用可能性を見出した。

現在の事業は大別して、ミドリムシを使用したヘルスケア事業と、エネルギー・環境事業に分かれる。とりわけ後者は、日本をバイオ燃料先進国にするべく、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを神奈川県横浜市に建設し、製造したバイオ燃料を2020年までに飛行機やバスで実用化することを目指す。また、その他にも創業のきっかけの地であるバングラデシュの栄養失調の子どもたちへの支援としてユーグレナクッキーを届けるプロジェクトや竹富島でのクルマエビの養殖などを手がける。

横浜市鶴見区に竣工した、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント

バイオ燃料導入へ向けて
実証プラントを竣工

2025年に商業化予定を見越し、2018年10月に日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(実証プラント)を日本で初めて竣工した。「社として決断した背景には、2015年のパリ協定における2030年までの温室効果ガス削減で、日本が2013年基準に対して掲げた26%削減目標があります。また、航空業界では、2016年の国際民間航空機関の総会において、CO2排出量は2020年水準を維持することが加盟国間で合意されました。2021年以降、温室効果ガスを規制値以上排出する航空会社に排出権購入が義務化となるため、航空会社のバイオ燃料の利用増大は不可避です」。

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