中小企業の「稼ぐ力」を掘り起こす f-Bizモデルを全国へ

中小企業や小規模事業者が活力を取り戻せば、地域は元気になる。地域金融機関や県の創業支援施設でインキュベーション業務を経て、全国各地の産業支援に取り組むスペシャリストに聞いた。

小出 宗昭(f-Biz センター長)

新事業創出から課題解決まで
企業のあらゆる声に応える

静岡県富士市発のビジネス支援センター・f-Bizは、未来を切り拓こうと志す企業の声に応える、公設民営の産業支援拠点だ。起業家創出と地域産業活性化に向けた活動は国から高い評価を得、Japan Venture Award 2005(主催:中小企業庁)経済産業大臣表彰を受賞した。f-Bizがスタートしたした経緯とは何か。

「大学卒業後、出身地の金融機関である静岡銀行に勤めていましたが、41歳のとき、県の創業支援施設であるSOHO静岡に出向し、そののち静岡市産学交流センターに、また2007年からは浜松に移り、結果、7年半に及ぶ産業支援の経験を積むことになりました」。

「国の民間の99.7%は中小企業であり、地域の雇用と経済を中小企業が支えています。私の出身地である富士市も、大企業の撤退、街を支えてきた製紙業を担う大企業である大昭和製紙の日本製紙への買収など、産業の地盤沈下が著しい状況でした。中小企業の再生で地域は元気になる、と考え、従来にない新たな支援センターづくりを構想として持つようにありました」。

2008年に富士市が、中小企業・小規模事業者向けの支援センターの開設を検討する際、「銀行を辞め地域のために働いてくれないか」とオファーを受けた。小出氏は当時50歳間近、あくまで銀行からの出向としての地域貢献と捉えていたが、度重ねての熱心な依頼に承諾。2008年8月に静岡県富士市で公設民営の中小企業支援施設・f-Bizのセンター長に着任した。同地域の中小企業の「稼ぐ力」を掘り起こすことで売上を伸ばし、地域活性化につなげている。

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