山岳立体マップで登山者を守る 鳥目線の映像コンテンツで新境地

標高3000m級の北アルプス・剱・立山は、多くの山ファンを魅了してやまない。そんな山ファンに絞った画期的なアプリ、山岳立体マップ[頂]が今、話題を集めている。開発したのは、富山市の映像制作会社「イーシステム」だ。

中村 秀樹(イーシステム 代表取締役)

1400以上のテレビCMで実績

映像制作会社は、現場撮影を主とする「プリプロダクション」と、撮影後にパソコンで編集やCG加工を行う「ポストプロダクション」に大別され、後者の約9割は東京に集中している。

映像制作会社「イーシステム」(富山市)は、北信越では珍しいポストプロダクションの会社であり、特に3D映像制作を得意とすることもあって、富山や長野、新潟を中心にこれまで1400以上のテレビCMを手がけてきた。CMの企画提案から構成、納品までを一貫して請け負えることが、膨大な数の制作実績につながっている。

イーシステムの設立は2004年。東京と富山でシステムエンジニア・プログラマーをしていた中村秀樹代表が起業した。当初はそれまでの経験を活かしてシステム開発に取り組む予定だったが、映像制作へと事業の舵を切っていったという。

「鳥目線」の新しいコンテンツ

今、イーシステムが手がけているのはテレビCMだけではない。建物などに映像を投影するプロジェクションマッピングは、鋳物メーカーの能作や酒造メーカーの若鶴酒造などに採用された。他にも、大学の研究内容を視覚的に解説するための映像や、企業の展示会などに使用される商品プロモーション映像、工場の紹介動画など、多種多様な映像を制作している。

イーシステムは、プロジェクションマッピングの映像も手掛ける。高岡の鋳物メーカー、能作などの制作実績がある

近年は観光インバウンド市場の盛り上がりを受け、観光のIT化にも取り組んでいる。その一例が、道の駅「雨晴」(富山県高岡市)に導入された観光タッチパネルシステムだ。

それは、映像制作技術とシステムエンジニア・プログラマー経験を融合させたもので、画面をタッチすれば観光地が映し出され、自分が鳥になったかのような目線で、自由にあちこちを見られる。操作も簡単だ。

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