高岡の伝統工芸を次代に残す プロデューサーが語る地方創生のヒント

生まれ育った地元・高岡市が誇る伝統工芸が危機に瀕しているのを前に、独自のコネクションと斬新なアイデアを持って、次々と画期的なプロジェクトを打ち出す。文化・地域振興プロデューサーの林口砂里氏に、地域創生への成功のヒントを探った。

林口 砂里(文化・地域振興プロデューサー エピファニーワークス 代表取締役、一般社団法人富山県西部観光社「水と匠」プロデューサー)

2019年10月7日に渋谷ヒカリエで開催されたイベント「Creators Meet TAKAOKA」には、約半日で400人を超える来場者が集まった。富山県高岡市の地元職人たちとデザイン活動家・ナガオカケンメイ氏ら国内外で活躍するクリエイターによるトークイベントをはじめ、高岡発のプロダクトや富山のローカルフードを集めた展示販売やワークショップは大盛況のうちに幕を閉じた。

10月に渋谷ヒカリエで開催されたイベント「Creators Meet TAKAOKA」

そのオーガナイズを務めたのが、高岡市を拠点に文化・地域振興プロデューサーを務めるエピファニーワークス代表取締役社長の林口砂里氏だ。

富山県西部に位置する高岡市は、銅器や漆器などの伝統工芸をはじめ、ものづくりが盛んな街として知られる。林口氏の生まれ育った街も、高岡鋳物の発祥地にほど近く、伝統工芸が息づく場所だった。

「道を歩くといつも銅器屋さんの匂いがしていたのを覚えています。鋳物の型をバラして高熱の金属を流した時に砂が焼ける匂い。それがあまりにも日常的だったので特別なものとは認識することもなく、全国どこに行っても当たり前にあるものだと思っていました」。

高校を卒業し、東京の大学に進学した林口氏は、高岡からしばらく離れることになった。英語を学ぶため、昔から好きだったブリティッシュロックの発祥地ロンドンへ1年間の留学をしていた時に、20世紀美術史の授業を通して、現代アートにのめりこんだ。

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