お米と野菜から生まれたクレヨン 青森の地場産品を活用、海外へ
青森県産の野菜を原材料にしたクレヨンを開発し、海外へも輸出。地域の未利用資源に着目し、収穫の際に捨てられていた外葉などを利用した。そのユニークな商品は、「親子の時間に彩りをもたらしたい」という思いから生まれている。
野菜の外葉などを原材料に使用した『おやさいクレヨン』。しかも、その野菜はほぼ青森産であり、収穫の際に捨てられていたものを活用している。米ぬかから採れた米油とライフワックスをベースに、野菜粉末や顔料を加えてつくられており、素材はほぼ100%植物由来。万が一、子どもが口に入れても安全だ。
『おやさいクレヨン』は天然の優しい色合いと野菜ならではの配色、独自のコンセプトが共感を生み、2014年の発売以来、累計12万セットを販売している(2019年7月現在)。開発したのは、mizuiro代表の木村尚子氏だ。
『おやさいクレヨン』着想の原点
「娘との生活時間をより多く共有したい」。青森を拠点にデザイナーとして活動していた木村氏は2012年の秋、そんな思いでフリーランスとして独立。そして「自分だけの商品」を生み出すことを思い描き、たどり着いたのが『おやさいクレヨン』だった。そのアイデアは、どのようにして生まれたのか。
「もともと私は文房具が好きで、趣味で絵を描くことが好きだったんです。それに、親子で楽しめる時間をつくれる商品にしたいと考えていました。また、青森にちなんだものにしたいとも思っていて、身近にあるものとして野菜があった。青森は藍染が盛んで、その色合いが素敵だと感じていたことも、野菜を染料にするというアイデアにつながっています」
木村氏は『おやさいクレヨン』の開発を進めるにあたり、県の助成金を得てスタッフ2名を雇用した。そして、野菜を切ってフライパンで炒め、乳鉢で潰して野菜パウダーをつくるなど、試行錯誤を繰り返した。手探りで始まった商品開発は、名古屋市を本拠とする老舗クレヨン工場と出会ったことで大きく前進した。
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