2019年5月号
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福岡のイノベーション力

AI活用で社会インフラを守る 建築・土木の仕事を多くの人に開放

森川 春菜(オングリット 代表取締役)、森川 歩(オングリット 取締役)

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建築・土木業界の人材不足が深刻だ。しかし、それは技能や経験が必要な仕事であり、誰もが簡単にできるものではなかった。オングリットは、AIを駆使したシステムで、老朽化したインフラの損傷調査・点検を効率化。未経験者でも建築・土木業界で働ける機会を創出している。

きっかけは何気ない夫婦の会話

これからますます人材不足が深刻化する建築・土木業界において、いかに効率良くインフラの点検を行い、安全を維持するのかが課題になっている。

オングリットは2018年3月、福岡市で創業。主に橋や道路、トンネル、標識・照明といった老朽化したインフラの点検を行っている会社だが、特筆すべきはテクノロジーを駆使して作業の効率化を実現しただけでなく、専門知識のない未経験者でも仕事ができる雇用を創出したことだ。

森川 歩 オングリット 取締役 研究開発事業部 兼 調査技術部 本部長

開発のきっかけは、何気ない夫婦の会話だった。

「シングルマザーになったお友達に仕事がないんだって」。妻のこの一言がきっかけとなり、当時、ゼネコンに勤めていた夫の森川歩氏は考えた。自分が開発した技術を使えば、建築・土木業界に新たな雇用を生み出せるかもしれない。もともとIT業界で働いていた歩氏は、建築・土木はイノベーションが起こしやすい業界と考えていた。なぜなら、異業種では既に陳腐化した技術でも、建築・土木では最新技術になる場合もあるからだ。

森川春菜 オングリット 代表取締役

そこで歩氏がシステムのベースを作り、当時専業主婦だった春菜社長が、5万点ほどあった国土交通省の点検要領のデータを丸5年かけて入力。歩氏がAI化して、未経験者でもCAD図面を作成できるようにした。

これにより担当者は点検や撮影といった外での作業から、調査報告書の作成など屋内での仕事までを1人で担当することがなくなる。深夜に及ぶ長時間労働を強いられていたのが、現場で撮ってきた損傷写真をオングリットのクラウドにアップするだけで、残りの作業をアウトソーシングできるようになった。

ビジネスコンテストの登壇は
10回以上、チャンスをつかむ

果たしてこのシステムは、社会にどのくらいのニーズがあるのだろう。起業する前の2018年2月、たまたまタイミングの合った「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」で春菜社長が登壇したところ、ファイナリストに選出。すると、会社の登記前だというのに各種問い合わせがあっただけではなく、銀行の支援も受けられることに。

そして2018年3月、春菜社長が代表取締役となってオングリットを設立。働き方改革、ソーシャルビジネスとしても注目され、その後も次々と声がかかった。

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