「よい経営」が「よい医療」を支える 医療モールで成長を狙う

医療費の増大や非効率な医療提供体制など、日本の医療には数多くの課題がある。そうした課題に事業機会を見出し、成長を遂げているのが総合メディカルだ。同社は、新しい医療モールの開発に力を注ぎ、「日本型ヘルスケアビジネス」の完成を目指す。

坂本 賢治(総合メディカル 代表取締役 社長執行役員)

医業経営の支援に踏み込む

総合メディカル(福岡市)の創立は1978年、医療機器専門のリース会社としてスタートした。70年代後半、高齢化社会に向けて医療費抑制が始まり、医療機関経営も安泰ではなくなった。そうした中で総合メディカルは、リース事業だけでなく、コンサルティングをベースとする事業に踏み込んだのである。

坂本賢治社長は、「医療機関が『よい医療』を行うには『よい経営』が必要です」と語る。

「国の医療制度は変化を続けており、医療機関にも『経営』の意識が求められます。しかし、医師が経営を学ぶ場はありません。医師から経営に関する相談を多く受ける中で、医療機関経営のコンサルティング事業は生まれました。お客様の不安や課題をもとに、その解決策を事業化していくのが当社のスタイル。医師が『よい医療』に専念できるように医療機関を支援することが、当社の使命なのです」

1988年には、薬局事業を開始している。

総合メディカルが展開する「そうごう薬局」。地域に根ざした薬局づくりで全国に進出している

「薬局事業の背景には、医師は医療に専念し、薬のことはその専門家に任せるという医薬分業の考えがあります」

さらに、医療施設の設計・施工にも進出。2000年には東証2部に上場した。

そして2001年、医業継承・医療連携・医師転職支援システム「DtoD(Doctor to Doctor)」をスタートした。これは、勤務医の転職・開業を支援したり、優秀な医師を紹介して医療連携の確立につなげたり、開業医に後継者を紹介したりすることで、地域医療の活性化に貢献するシステムだ。

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