地域の魅力は自分たちで作る 実践者が語る佐賀県のまちづくり

佐賀県嬉野市、有田町、唐津市厳木町など、地域で活躍するプレイヤーが、地域のまちづくりについて実践事例を語った「地域の魅力は自分達でつくる!佐賀県におけるまちづくりの実践事例」。まちづくりに携わるプレイヤーの生の声を聞こうと、約100席の会場は満席となった。

有田市で開催した移住体験ツアー(左)と、嬉野温泉街の観光・コミュニティスペースに改装された旅館(右)

山積みの課題をポテンシャルに

最初に登壇したのは、有田町を舞台に活動する、特定非営利活動法人「灯す屋」の代表理事、佐々木元康氏。「空き家、空き店舗にあかりを灯す、暮らす人の未来にあかりを灯す、伝統・文化の灯を未来に繋ぐ」の3つをミッションに、空き物件(空き家、空き店舗等)の管理及び活用推進、移住・定住支援、後継者育成支援などを行う。

有田町は400年の歴史を持つ「有田焼」の町。毎年4月29日~5月5日に開催される陶器市は、100万人を超える人で賑わう。

「陶器市を開催する内山地区は国指定の伝統的建造物の保存地区で、町並みが素晴らしい。しかし、陶器市以外の日に開いているお店は少なく、若い人は入って来づらい。有田焼は分業で町には様々な職人がいますが、彼らには後継者がいない状態です。町の課題は山積みですが、我々は、これが町のポテンシャルであり、幸せに暮らすための手段だと考えています」(佐々木氏)。

佐賀県有田町に生まれた佐々木氏は、製薬会社に7年勤め、3年前に地域おこし協力隊として有田町に家族揃ってUターン。2018年8月に「灯す屋」を設立した。

活動としては、不動産と一緒に町内の空き屋を巡る「空き家、空き店舗見学ツアー」を毎月開催。移住希望者が町に溶け込みやすいよう「移住体験ツアー」なども企画する。また、移住者と地域を繋ぐ、陶芸アトリエつきシェアハウス「コネル」も創った。

現在力を入れているのは、空き店舗オーナーと出店希望者をつなぐマッチングマルシェ「うちやま百貨店」。2018年11月23日から3日間、有田町内山地区で、2回目を開催した。

「空き店舗で困っているオーナーと移住して町内で店を出したい人たちを繋ぐマッチングマルシェを、空き店舗活用のエンジンにしていきたい。町のポテンシャルを活かし、自分も町の人も幸せに暮らせる未来を創っていきたいです」(佐々木氏)。

佐々木 元康(特定非営利活動法人灯す屋代表理事)

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