2019年2月号

北海道胆振東部地震 復興の先へ

「旅」で復興を加速する JALの「北海道支援パッケージ」

本田 俊介(日本航空 執行役員 路線統括本部 国内路線事業本部長)

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北海道胆振東部地震をうけ、日本航空(JAL)は9月21日から、復興に向けた「北海道支援パッケージ」を展開している。JALグループの航空輸送事業を活かして、北海道の観光需要を喚起し、一日も早い復興を目指していく。

本田俊介 日本航空 執行役員 路線統括本部 国内路線事業本部長

「旅」で北海道を応援する

JALは北海道胆振東部地震の一日も早い復旧・復興を応援するために、「北海道支援パッケージ」を展開している。

第一弾として9月21日から、特設サイト「さあ、でかけよう!北海道」を開設すると共に、北海道発着路線の先得運賃を大幅に割り引く「応援先得」を実施。訪日外国人旅行者に対しても、国内線運賃「Japan Explorer Pass」の期間限定値下げを行ない、首都圏から入国した訪日外国人の来道を促進している。

JALは復興支援に向け、先得運賃割引やプロモーションなど多面的な活動を実施中

さらに北海道義援金ツアーの提供や復興支援特別塗装機の運航など、多面的な取り組みを行っている。

JAL執行役員国内路線事業本部長の本田俊介氏は「まずは『北海道へ行こう』というムーブメントを起こすことが重要だと考えました。また、特設サイトや特別塗装機では応援ムードを作ることを狙いました。実際の送客と共に、日本全国が応援していることを伝え、被災地に元気になってもらいたいと思っています」と話す。

驚くのは復興支援のスピードだ。震災直後から支援策の議論を始め、わずか約2週間後に「北海道支援パッケージ」を取りまとめた。また、嵐が出演する復興応援CMも新たに撮影し、11月15日からオンエアをしている。

嵐が出演する復興応援CMも新たに撮影した

「JALの復興支援は『全社一丸』。全部署・全社員が『自分たちの役割は何か、被災地のために何ができるか』を考え、あらゆる手段で実行しています」と本田氏は述べる。

2段階の復旧・復興支援を実施

JALでは、地震や豪雨などの災害に対して、「復旧モード」と「復興モード」の2段階で被災地を応援・サポートしているという。

「復旧モード」は災害発生直後の緊急支援だ。被災地への増便、臨時便、臨時路線の設定などを行い、航空輸送を確保して、救援物資の輸送や医師・支援団体の無償輸送などを行う。また、小売大手のイオンと緊急物資輸送の覚書を締結しており、2016年4月の熊本地震では震災直後に貨物便を飛ばし、イオンの手配した毛布3000枚を熊本空港へ届けた。

そして、復旧が一段落した時点で「復興モード」に切り替え、今回の北海道胆振東部地震の復興支援のように、人が離れがちな被災地に再び観光客を呼び込むための支援に取り組む。

JALの復旧・復興支援は、2011年の東日本大震災が大きなきっかけとなった。「最初は、震災地に送客することに躊躇がありました。しかし、現地の方々に話を聞くと『震災の状況を知り、伝えて欲しい。そして被災地でお金を使って欲しい』というニーズがありました」と本田氏。2011年に開始した東北支援ツアーは「JAL東北応援プロジェクト」として現在まで続いている。また、社員研修を女川、南三陸町、東松島市等で行ない、被災地との交流を通じて社員の意識を高めている。

送客だけでなく、被災地産品の活用や販促などにも取り組む。「熊本地震では、被害の最も大きかった益城町で、おばあちゃん達が震災でダメになった着物からポーチを作っていました。それを見た社員の発案で、JAL社内でのポーチ販売やおばあちゃん達の講演会が実現しました。このように現地の方々と触れ合いながら、自分たちにできることを即座に実行する。それが現地の方々に勇気を与え、社員の学びにもなると思っています」

世界と日本の地域を繋ぐ

北海道胆振東部地震の復興支援では、応援先得やふっこう割が効果を発揮し、JALの北海道への旅客者数は「12月はほぼ前年並みに戻っている」という。

「北海道ふっこう割」対象商品も多数企画・販売

自然の素材が豊富にある北海道は、観光におけるポテンシャルは非常に高い。中でも東北海道には手つかずの自然が多く残っており、まだまだ開拓の余地があると本田氏は指摘する。「自然の素材はリピーターがつきやすい。雪のないアジアの方や、広大な大地を見たことのない方にとって、北海道は非常に魅力のある地域です。北海道のツアーや周遊パッケージはだいぶ整備されてきたので、次は『価格』で需要を開拓するフェーズ。当社としては海外から積極的に観光客を呼び込んでいく方針です」

これまで国内中心に販売してきた国内線を、今後は海外へも積極的に販売していき、「『世界と日本の地域を繋ぐ』ことが、JALの大切な役割のひとつだと考えています」

JALは2011年以降、地域活性化に積極的に取り組んでおり、現在は地域コラボレーション企画「新・JAPAN PROJECT」を展開する。観光振興と農水産物をテーマに、JALのブランドやプラットフォームを活かし、地域と都市圏、海外をつなぎ、人・モノの流動を促している。

「2010年に経営破綻を経験し実感したのは、地域の方々のおかげでJALが存在するということ。我々がやるべきことは、地域のために汗をかくことです」と本田氏は強調する。

地域を盛り上げ、地域とともに成長していく。JALの地域支援の根本には、そんな社員全員の想いがある。

 

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